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第19回STaD健康チェック『ノロやロタウイルス感染について教えてください』 | トピックス | すたっとTV

健康チェック

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小児科医長 鈴木 繁

第19回STaD健康チェック『ノロやロタウイルス感染について教えてください』

2010/12/28

Q1:ノロやロタウイルスの流行が報道されており、子どもが心配です。感染の原因を教えてください。

A1:ノロウイルス、ロタウイルスをはじめ胃腸炎を発症する多くのウイルスは冬から春にかけて活発となります。その多くは、経口感染(汚染された食品を摂取したり、ウイルスが手に付いたまま食事をするなど)ですが、ノロウイルスは空気感染もおこします。吐物や下痢便などが乾燥すると空気中に浮遊しますので、閉め切った部屋での生活は感染拡大につながります。便1g中にウイルスは1億個以上、吐物1g中には100万個以上存在し、そのうち10個が体内に入ると感染が成立するといわれています。


Q2:感染した時の症状や治療法を詳しく教えてください。

A2:感染後およそ24〜48時間以内に嘔気、嘔吐、下痢、発熱、腹痛などが出現します。小児では成人に比べ嘔吐の症状が強く出る傾向にあります。小児の場合、水分摂取量低下により脱水になりやすいため、以下の症状があれば医療機関への受診をお願いします。
㈰1日10回以上の下痢で、1回の排便量が多い場合 ㈪半日以上、嘔吐が続いている場合 ㈫経口摂取がうまくできない場合 ㈬脱水兆候(呼吸が早くなる、尿量や涙の量が減少する、口の中や舌が乾燥しているなど)がある場合 ㈭ぐったりしている場合
 経口摂取は、多くの量を飲むと吐いてしまうことが多いため、2〜3口与えて10〜20分後にまた2〜3口飲ませてください。飲み物の種類としては経口補水液、スポーツ飲料などが良いとされています。

Q3:予防はできるのでしょうか?

A3:やはり基本的には手洗い、うがいになります。手洗い時は時計や指輪をはずし、石鹸を使って丁寧に洗い、流水でよくすすぎ、なるべくタオルの共有はしないように心がけてください。衣服、便座、ドアノブ、手すり、調理器具等が感染拡大の原因となることも多いのですが、これらは次亜塩素酸での消毒でウイルスを排除できます。カーペットに浸み込んでしまった場合は、スチームアイロンで1分程度熱消毒すると効果的です。これらの処置の際は、感染を防ぐためマスクと手袋を着用してください。また汚染の可能性がある食品(二枚貝など)に関しては、加熱(85℃以上、1分以上)により感染力を失います。以上の方法である程度感染の拡大を防ぐことはできますが、実は嘔吐、下痢などの症状が消失した後も1ヵ月くらい便中にウイルスが存在しますので、手洗い、うがいによる予防は継続してください。