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STaD×聖隷佐倉市民病院【心筋梗塞について Q&A】 | トピックス | すたっとTV

健康チェック

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聖隷佐倉市民病院 循環器科 医長 徳山 権一

STaD×聖隷佐倉市民病院【心筋梗塞について Q&A】

2012/03/30

Q1 心筋梗塞とはどういう病気ですか? またどのような症状が出るのでしょうか?
A1 心臓は1日に約10万回も収縮・拡張を繰り返し、全身に血液を送り出すポンプの役割をしています。この収縮・拡張する心臓の筋肉(心筋)に、酸素や栄養を含む血液を送り込んでいるのが、心臓のまわりを通っている冠動脈という血管です。
 心筋梗塞とは、何らかの原因で血管内のプラークと呼ばれる脂肪などの固まりが破れて血栓(血のかたまり)ができ、冠動脈が完全に詰まって心筋に血液が行かなくなった状態です。心筋に血液が行かないと、その部分が壊死(えし)してしまい、範囲が大きくなると心臓の収縮・拡張ができなくなります。そのため重症な心不全や不整脈を引き起こし心臓の機能も悪くなり心臓突然死に至ることもあり緊急の治療が必要です。
 心筋梗塞で起こる症状として、焼けつくような激しい胸痛や胸部圧迫感が特徴で、時間も15~30分以上長く続きます。狭心症のように、ニトログリセリンも効果がありません。胸以外にも、首、顎、背中、肩、左腕にかけて広がるような痛みやしびれ、吐き気や冷や汗、また不整脈や心不全を合併すると動悸や息苦しさも感じたり失神を起こしたりする人もいます。このような状態になったら、すぐに救急車を呼びましょう。ただ高齢者、糖尿病患者さんの中では、典型的な症状がない場合もあるので注意が必要です。

Q2 なぜ心筋梗塞になるのでしょうか?なりやすい人などいるのですか?
A2 高血圧や脂質異常症、糖尿病による動脈硬化から進展することが多いため、生活習慣病の一つとして、生活習慣の改善による予防が重要視されています。なりやすい人の原因は高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣関連疾患、肥満、メタボリックシンドローム、喫煙、精神的肉体的ストレス、脱水、家族歴などがあげられます。

Q3 心筋梗塞にならないために予防する方法などはありますか?
A3 心筋梗塞にならないためには…
■禁煙 ■食事制限(塩分、脂肪、アルコールの制限)
■体重の適正化(BMI25未満) ■生活習慣関連疾患の治療
■長時間の労働を避け、適度な休日・休息などによる生活の改善
■日常の中等度な運動(1回30分以上、週3~4回の歩行などの有酸素運動)
が大切です。
 心筋梗塞の死亡率は将来さらなる増加が懸念されており、心筋梗塞を発症した後も薬物療法とともに、生活習慣を積極的に改善することが、再発の予防、生命予後の改善に極めて重要と言われています。

【最後に…】
 心筋梗塞の発症が原因で心室細動という不整脈を起こし、心停止状態になる可能性もあります。このような場合には、救命率の向上が1分を争う事態ですので、周囲の気づいた人が救急車を呼ぶと同時に、救急車が来るまで心臓マッサージやAEDによる救急蘇生を続けてください。心臓マッサージは、動かない心臓に代わって全身の臓器に血液を送り込み、臓器が酸素不足で働かなくなってしまうのを防ぐ重要な救命方法です。

心臓マッサージ
1 倒れている人の胸の真ん中に手のかかとの部分を重ねてのせます。
2 肘を伸ばしたまま真上から強く(胸が5センチ以上沈むまで)押してください。
3 これを1分間に100回以上の速さで繰り返し続けます
※押した後には瞬時にその力を緩めますが、手が胸の真ん中から離れないよう、ずれないようにします。