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STaD×聖隷佐倉市民病院【こどもの夏かぜについて】 | トピックス | すたっとTV

健康チェック

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聖隷佐倉市民病院 院長補佐・小児科部長 川村 研

STaD×聖隷佐倉市民病院【こどもの夏かぜについて】

2012/04/27

 毎年6月頃になると子供たちの間で発熱、発疹、咽頭痛等を伴ういわゆる夏かぜが流行しはじめます。これらの多くは種々のウィルスにより引き起こされ、ほとんどが軽症のまま自然治癒しますが、まれに髄膜炎や心筋炎を起こすものもあり注意が必要です。
今回は小児の代表的な夏かぜの原因や症状について解説します。
1)ヘルパンギーナ:腸の中で主に夏場に増殖するエンテロウィルスに属するコクサッキーウィルスにより発症する夏かぜの代表です。毎年5月頃より増加し始め、6~7月にかけてピークとなるもので、発熱と咽頭痛で発症します。のどが赤く腫れて水疱または潰瘍状になるのが特徴で比較的軽症のまま短期間で解熱することが多く、また特効薬はないため安静にして対症療法(解熱剤や痛み止め)で経過を見ることになります。
2)手足口病:ヘルパンギーナと同様にコクサッキーウィルスなどが原因と言われています。舌やのどの周辺の口腔粘膜のアフタ(白みがかった口内炎)や浅い潰瘍、手のひらや足の裏などを中心とする(時には肘や膝までの)水疱のような発疹を認めることで診断されます。一般的には発熱もなく予後良好な疾患で、対症療法で経過観察をしますが、時に激しい口内炎のために水分がとれず点滴が必要となったり、新生児や乳児ではまれに髄膜炎を発症したりすることがあり注意が必要です。手足口病の診断の後に高熱の持続、激しい頭痛、嘔吐などがあるときには医療機関を受診するようにしましょう。
3)ウィルス性胃腸炎・無菌性髄膜炎:やはりエンテロウィルスにより発症します。冬の胃腸炎に比べると下痢や嘔吐が軽いことが多く血便などが出ることもありませんが、比較的長引くのが特徴です。脱水症に気をつけて水分補給をします。熱や吐き気がひどい時には無菌性髄膜炎を起こしている可能性があるため注意しましょう。
4)アデノウィルス感染症:アデノウィルスによる感染症は通年性で一年中発症はみられますが、特に夏の時期に流行するのが咽頭結膜熱(プール熱)や滲出性扁桃炎などです。前者は発熱と同時に結膜炎(眼球の充血)を伴うのが特徴であり、後者では発熱と咽頭痛のいわゆる風邪症状が主体のため、特に溶連菌感染症との鑑別が問題となります。アデノウィルス感染症では比較的高熱で熱の持続期間も長いため体力の消耗などに注意が必要です。また、まれに肺炎や出血性膀胱炎を起こすことがあります。

 夏かぜは冬のインフルエンザや溶連菌感染症などと異なり特効薬がありませんが、一般的に熱以外の症状があまりなく、予後も比較的良好なものが多いとされています。熱はウィルスを殺すための正常な生体の防御反応であり、また体温の高さと病気の重症度とは関係ありませんので、比較的元気で熱以外の症状が強くなければ、安静にして自宅で様子を見ましょう。冬の風邪に比べると夏かぜは予防が難しいと言われていますが、外出後は夏でもうがい・手洗いをするよう心がけましょう。