新型コロナにかからないようにマスクをして三密を避けて・・・といわれます。ストレスのたまる生活がいつまで続くのかとうんざりします。それでも自分がコロナで死なないためにはワクチンを打って、感染しないような行動を心がけることはできます。では肺がんで死なないようにするにはどうしたらいいのでしょう。
肺がんは喫煙者に多い病気ですが、たばこを吸わない人にも発症し、最近では女性の非喫煙者に増えつつあります。がん種別に死亡数の順位をみると男女計では肺がんが1位で、2位は大腸がんです。肺がんで亡くなる日本人が多いことが分かります。肺がんの5年生存率は男性29.5%、女性46.8%です(国立がん研究センターがん情報サービス)。
リスクを下げるには喫煙者であれば禁煙はもちろんですが、それでもがんを予防するワクチンはありません。どうしたら肺がんで死なないようにできるのでしょう。最近の研究結果をご紹介します。
低線量CT検査による肺がん検診のすすめ
肺がん検診では、レントゲン検査を行うことが一般的です。しかしレントゲンだけでは早期肺がんの発見は難しく、仮に肺がんが見つかっても残念ながらすでに進行した状態で見つかることも多いです。一方CT検査では、小さながんが発見され、治る状態で多く見つかるのではないかと期待されていました。そのことが米国(2011年)、ベルギー/オランダ(2018年)で行われていた大規模試験で相次いで証明され、喫煙歴がある肺がんリスクの高い方は数年毎(初年、1年目、3年目、5.5年目)にCT検診を受けると10年間で肺がんにより死亡する率が26%低下した結果が出ました。つまり肺がんで死なないようにするためには、CT検診を受けることがリスクの回避につながり、さらに被曝量の少ない低線量CT検査であれば身体への負担が少なく検査を行えます。
CT検査では非常に小さな異常も写るため、小さすぎてがんかどうか分からないものも発見されます。そのため結果的には良性だったものでもがんが否定できず追加検査や手術が行われることもあります。日本では普及はしていませんが、アメリカでは2015年から適合者に対してCT検診の無償提供が始まるなど重要性がうかがえます。
早期治療に向けて
喫煙者はまず禁煙です。さらにCT検診を受けることで早期に肺がんを発見出来れば手術で治る可能性が高まります。一方で喫煙歴のない女性でも肺がんが増加しています。リスクの低い人でも還暦を超えたら数年に一度で良いのでCT検診を受けるとよいでしょう。聖隷佐倉市民病院の健診センターでは低線量CT検診を受けていただくことができます。また検診を受け気になる症状などございましたら、かかりつけ医や当院の呼吸器外科へご相談ください。私どもは北総エリアから肺がんで亡くなる方が一人でも減ることを願いつつ病院で診療しております。
聖隷佐倉市民病院 呼吸器外科部長 眞崎 義隆
●呼吸器外科の受診、お問い合わせ
社会福祉法人 聖隷福祉事業団
聖隷佐倉市民病院 TEL:043-486-1155(8:30~17:00)
●肺がんドッグにて検査のお問い合わせ
社会福祉法人 聖隷福祉事業団
聖隷佐倉市民病院 健診センター TEL:043-486-0006(平日9:00~16:30/土曜9:00~12:00)
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