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健康チェック

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CKD(慢性腎臓病)をご存知ですか?

2008/12/24

聖隷佐倉市民病院 腎センター長 鈴木理志

 日本では2年ほど前から新聞・雑誌やテレビで頻繁にとりあげられている「CKD」という腎臓病ですが、実は世界中を巻き込んだ大旋風になっています。ある意味「メタボ」よりも深刻な健康問題である「CKD」について是非とも知っておいて下さい。

透析医療の現状
 腎臓病がとことん悪くなると体中に毒素がたまる尿毒症になります。放っておくと命に関わるので毒素を除去するための透析療法を開始するのですが、これはずーっと続けなければならない治療です。ご本人・ご家族の生活にとって、そして医療費の面からも大きな負担となる治療です。わが国でこの透析を受けている方は2007年末現在27.5万人、そして毎年3.7万人が新たに透析を始めるため、透析患者数は猛烈な勢いで増加しています。これは世界各国で同様にみられる傾向です。

CKDの誕生
 ここまでは他人事と感じる方も多いでしょうが、実はわが身に迫る大問題なのです。というのも、この27.5万人は氷山の一角にすぎず、水面下には人口の10.6%つまり日本では約1300万人もの方が透析予備軍であることがわかってきたのです。しかもこの人達は心筋梗塞や脳卒中のような直接命に関係する心血管病を合併しやすいことも明らかになりました。
 昔から腎臓病というのはひどく難解な分野で、勉強したはずの医師ですら見当違いの判断をしがちです。世界中が直面しているこの危機的な状況を改善するために、まずは誰にでもわかりやすい腎臓病の考え方に切り替えていくことが早急に求められました。このような経緯から2002年に「CKD:慢性腎臓病」という世界共通の病名が誕生したのです。
 つまりCKDは新しく発見された病気ではありません。従来の分類にもとづくすべての腎臓病をひっくるめ、おまけに腎臓に関連するちょっとした異常までをも含んだ総合的な病名なのです。

CKDの診断
では、具体的にどのような人がCKDに該当するのでしょうか?表1に示す条件を満たすとCKDと診断されるのですが、ここでいうGFRとは腎臓が老廃物を排泄する機能をあらわします。GFRは正確に測定するのが難しいので、現在は性別・年齢・血液検査クレアチニン値の3項目から近似値を計算する方法がとられています。これをeGFRとよび、正常値は90以上です。
 つまり尿検査で蛋白尿を中心にチェックし、血液クレアチニン値をもとにeGFRを計算すれば世界中どこででも簡単にCKDの診断がつくということです。もちろん、町のかかりつけ医院でも健康診断でも診断できるわけで、煩雑な検査や専門知識は不要です。

腎専門医の役割
 しかしCKDと診断された人のうち表2に示すような場合は、何科の医師でも大丈夫というわけにはいきません。われわれ腎専門医の出番になります。各種の検査を駆使することで、単にCKDという診断にとどまらず、もっと精密な診断を下したり、あらゆる治療法を組み合わせて腎機能低下を防いだり、やむを得ず透析になるにしても負担をできる限り少なくしたりなど、それぞれの段階に応じた専門的な作戦を立てていくことになります。
 聖隷佐倉市民病院腎センターは、尿異常にはじまり透析・腎移植に至る全ての段階のCKDに対応可能です。また小児科も腎臓病が専門のため、あらゆる年齢層のCKDに対応可能になります。この特長を十分に発揮しCKD診療に役立てるよう院内体制が整いつつあります。