「大人のたまり場」から初ライブの模様をお届けします。
今年1月に、富里市七栄に「大人のたまり場」という名のジャズ喫茶が誕生しました。
たまり場の中心にあるのは音楽。団塊世代であれば、一度は耳にしたことのあるジャズが中心です。この日も、ウィントン・ケリーやビル・エバンスといった往年のジャズプレイヤーの名演奏が室内に流れます。音に合わせてリズムをとる人、じっくり耳を傾ける人、お喋りを弾ませる人など楽しみ方は様々。ジャズ愛好家や地元の商店主、大学生など、年齢も立場も異なる人達が集まり、音楽を通して交流が生まれています。
このたまり場を設けたのは、地元でコンビニエンスストアを経営し、現在、新しく商店会を発足しようと奔走中の久野直衛さん。富里市に住んで6年。地域に根付きたいという思いが、沢山の人との出会いを生んだことをきっかけに、皆が気軽に集まることができる地域の交流拠点になればと開設しました。たまり場の前身は、人参の出荷倉庫。久野さんの志に賛同した地主の方の好意により、改装が実現しました。防音設備は勿論、本場ニューヨークのジャズカフェを参考にしながら、照明など空間作りにもこだわりました。棚を飾るLP盤のレコードは、久野さんや仲間が自宅から持ち寄ったもの。コルトレーンやマイルス・デイビスなどの名盤も並びます。往年の音を奏でるのは、久野さんが学生時代から少しずつ集めてきたという稀少価値の高いオーディオの数々。CDとLP盤の聞き比べを楽しむ姿も見られました。また、この日は初めて地域で活躍するバンドによるアコースティックライブも行われ、一曲終わる度に熱い拍手が送られていました。
「ジャズだけに限らず、色々な話の情報交換ができるのが楽しい」と語るのは、立ち上げから支援してきた富里国際交流協会会長。ここで生まれた情報交換が、自分の活動にも大きく活かされ、富里の音楽文化にも反映されていきます。初めて訪れたと話す地元のジャズファンは「このようなスペースが出来たことが非常に嬉しい」と顔をほころばせます。成田から足を運ぶジャズ愛好家は「オーディオ設備が素晴らしく毎回、音を聴くのがとても楽しみ」と、気分を高揚させながら語っていました。
団塊世代が退職を迎える今後、これまで職縁で生きてきた人達が地縁に目覚めるきっかけ作りとして、また異世代交流の場として、音楽というキーワードが、地域の文化と情報発信を後押ししていきそうです。活動は、毎月第4日曜日の午後1時から。軽い気持ちでその扉を叩いてみませんか。一歩足を踏み出せば、そこには心弾む音楽と多くの出会いがきっとあります。
問)大人のたまり場
久野さん (ファミリーマート富里インター店)
0476(90)5781
