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すてきなユーカリ人vol.35 "陸上競技で子ども達の可能性を引き出す" 元中学校教員 永嶌 節子さん

2011/08/30

 エンジ色のトラックが暑さを一層強く感じさせる、昼下がりの陸上競技場でスターティングブロックを合わせて、一人の少女が師のかけ声を待っています。師の名前は永嶌節子さん。走り出した瞬間、「目の高さで!」「たたいて!」「パンパンと!」と短く鋭い言葉が飛び交います。陸上指導歴40年。陸上競技場へ一歩足を踏み入れると知らない人はいないという位、競技者の方々と挨拶を交わしています。
 東京の下町育ち。学生時代は顧問もいない陸上競技部で、もっと強くなりたい、速く走りたいとあがいた日々を経験したことから、陸上の基礎を教えたいと、幼い頃からの夢だった中学教師になりました。その熱い思いは自身の原動力となり、何度も子ども達を全国大会へと導いた実績を誇ります。子ども達にはトラックの上だけではなく常日頃から挨拶・礼儀・努力・感謝・笑顔を大事にするよう教えています。指導中の瞳は厳しいですが、一歩、競技場の外に出ると優しい笑顔に戻ります。昨年退職し、今は時間に縛られない自由な日々を送っています。
 約40年の教員生活は、生徒と職員に恵まれて大変幸せだったと振り返る永嶌さん。これからはゆったりと過ごしていきたいと思っていたところへ、知人から陸上選手への指導を頼まれ、自分の経験が役に立つのなら・・・との思いで引き受けました。小・中学生の子ども達はまだまだ成長段階にある為、結果よりも可能性を引き出してあげたいとの思いで指導にあたっています。その傍ら、趣味として、スポーツクラブ通いやウォーキング、習字を習うことも自分の生活の中では欠かせない大切な事柄です。
 一日一回は汗をかいていたいという永嶌さんの第二の人生はまだスタートしたばかり。学校から地域へと指導の場が変わっても、まだまだパワーは衰えるところを知りません。地域を舞台にした永嶌さんのこれからの活躍に期待です!
(ライター/STaDサポーター・YUMI)