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STaD×聖隷佐倉市民病院「胆石に対する腹腔鏡下手術」 | トピックス | すたっとTV

健康チェック

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外科 部長 小池直人

STaD×聖隷佐倉市民病院「胆石に対する腹腔鏡下手術」

2011/09/30

〈胆石症〉
典型的な症状としては上腹部に突然起こる激しい発作性の痛みで胆石発作と言われている痛みがあります。油っぽい物(てんぷら、中華料理など)あるいは卵の黄身など、胆のうを急激に収縮させるような食物を食べてから数十分〜数時間後に起こります。しかし、胆石を持っている人は必ずこのような症状が出現するというのではなく、症状が無く経過する人も多くいらっしゃいます。
胆石はこのような痛みの他に、急性胆のう炎、肝機能障害、黄疸、急性膵炎などを起こす原因となります。胆石と胆のう癌との直接の因果関係については明らかではありませんが、胆石による二次的な要因が胆のう癌の発症に関与している可能性があると言われています。無症状の胆石症に癌が合併する頻度は1〜2%と胆石のない人と比べそれほど高いわけではありません。しかし、高齢になるに従ってその発生頻度は明らかに高くなり、60歳以上の高齢者では胆石は胆のう癌の危険因子となりますので、手術をしない場合は定期的な超音波の検査が必要となります。
このような胆石症に対し、治療が必要か否かを、症状の有無・胆石の性状・胆のう壁の状態・胆のうの機能などによって総合的に判断して決めています。具体的な治療法は腹腔鏡下に胆のうを摘出する腹腔鏡下胆のう摘出を主に行います。胆石の手術とは胆のうを取る手術ですがこれは石を取ると共に再発を防ぐ意味があります。一般に結石のある胆のうは機能が落ちているため胆のうを取ることによる障害はあまりないとされています。手術をしない場合は、胆のう壁の状態により半年から1年に1回の超音波検査をして経過をみていきます。

〈腹腔鏡下胆のう摘出術〉
以前胆のう結石の手術は全例おなかを大きく開けて胆のうを摘出していましたが、今日では、腹腔鏡下胆のう摘出術が多く行われています。この手術は傷が非常に小さいため美容効果があり(腹腔鏡…手術機器を入れるための1cm前後の傷が3ないし4カ所つくだけで、傷が判らなくなることもあります)、術後の痛みが大幅に軽減し、術後の回復も早く数日の入院ですむため患者様のQOL(quality of life:生活の質)を大幅に向上させることができます。しかし、患者様によってはこの方法での手術ができない方がいらっしゃいます。上腹部に手術既往のある場合、癒着で内視鏡が使用できないことがあり、この場合はこの方法での手術は出来ず、従来の方法で手術が行われます。胆のう結石以外にも良性の胆のうポリープにも腹腔鏡下手術を行います。