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STaD×聖隷佐倉市民病院 「脳梗塞についてQ&A」 | トピックス | すたっとTV

健康チェック

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脳神経外科 部長 冨田 伸

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STaD×聖隷佐倉市民病院 「脳梗塞についてQ&A」

2012/01/31

Q1.脳梗塞とはどういう病気ですか?
A1.脳梗塞は脳卒中の一種で、脳梗塞の大きさは様々です。
 脳細胞はエネルギーを血液中の酸素やブドウ糖から得ています。このエネルギーを運ぶ血液の供給が不足したり絶たれたりした場合、脳細胞は約5分以内で機能不全や細胞壊死となります。特に細胞壊死状態を脳梗塞といいます。
 脳への血液供給は、心臓から左右の総頚動脈と椎骨動脈を経てなされており、これら心臓や頭蓋内外にある動脈系の異常状態が、脳梗塞の原因となります。
 異常状態とは、心臓内にできた血塊(血栓)が突然流出して、脳の血管を詰まらせてしまうこと(こういった脳梗塞を心原性脳塞栓症という)や、頚部の動脈や頭蓋内の主要血管、脳実質内を走る微小血菅の動脈硬化のことを一般的に言います。【図を参照】
 脳は大別して大脳・小脳・脳幹と分かれおり、それぞれ細胞の働きが様々なため、脳梗塞には以下のような種々の程度の症状があります。
■ 症状がほとんど現れない(無症候性脳梗塞)
■ 手足の脱力 ■ しびれ ■ 話し方がおかしい ■ めまい
■ ふらつき ■ 見え方がおかしい ■ 飲み込みの異常
■ 一過性脳虚血発作(一時的に症状が現れ一日以内に回復する)
■ 四肢麻痺 ■ 昏睡 ■ 死亡

Q2.脳梗塞にならないために、予防する方法はありますか?
A2.脳梗塞の約2割が心原性脳塞栓症です。突然発症し、重症になることが多く、高齢者に多いですが、若年者にも発生することがあります。
 心原性脳塞栓症を起こす原因の約5割が心房細動(不整脈の一種)といわれています。
人間ドックなどで心疾患の有無の検査を受け、異常があったときは医療機関に受診しましょう。脳梗塞の予防として、治療でも使用する抗凝固剤を処方することがあります。
 一方、脳梗塞の大半を占める非心原性脳梗塞は血管内皮の損傷を伴う動脈硬化が原因とされ、高血圧・糖尿病・高脂血症は三大危険因子といわれます。日常生活の中で喫煙・飲酒・肥満・ストレス・脱水に注意することが動脈硬化の悪化や脳梗塞発生・再発の予防になります。
 また、動脈硬化の画像検査(頚動脈エコー・MRI/MRA・CT・脳血管撮影・脳血流等)に異常があったときは、神経内科医や脳神経外科医など専門医にどのような治療(抗血小板剤・頚動脈拡張術・脳血管吻合術等)が適当か診察を受けましょう。

Q3.もし身近にいる人が脳梗塞で倒れてしまったら、救急車が来るまでの間どのような対応をしたらいいですか?
A3.脳梗塞が発生すると、時に嘔吐があります。吐物による呼吸困難が起きないよう、救急車が到着するまでは身体を横向きに寝かせた姿勢で待ちましょう。
 脳梗塞は、A1で記述した様な症状が主です。脳にどのような異変が発生しているか早急に診断することは、治療方針の決定や、今の症状の将来を予測するのに大切です。
 日曜・祭日・日中・深夜を問わずに救急車をすぐ呼び、神経内科医や脳神経外科医などの専門医がいる病院(理想的には脳卒中センター施設のある病院)に搬送してもらうことが大切です。発症早期の場合、脳梗塞の原因によっては血栓を溶かす治療法もあり、ほかに脳血管内に太さ1mm以下の管(マイクロカテーテル)を導いて、血栓を直接除去する治療法も開発されています。

 病気も種々ありますが、脳梗塞に関しても「明日は我が身」であります。
 インターネット等で「脳卒中」について注意すべき点を、再度チェックしていただければ幸いです。