健康チェック

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糖尿病看護認定看護師 高橋 弥生

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STaD×聖隷佐倉市民病院 「今年もやります!糖尿病週間イベント~あなたの腎臓、大丈夫ですか~」

2012/09/28

 毎年11月14日は、『世界糖尿病デー』です。一昨年から当院でも開催されている「糖尿病週間イベント」は、今年も11月19・20日に開催する予定です。今年のテーマは『チーム医療で糖尿病透析予防』です。
 2011年、日本の糖尿病人口は約10,674,320人に上り、世界第6位となりました(※国際糖尿病連合「Diabetes Atlas第5版」)。
 糖尿病で最も大事なことは、合併症の発症や、病気の進行を予防することです。代表的な合併症に、「し・め・じ」があります。「し」は、神経障害(糖尿病性神経障害)、「め」はその名の通り眼(糖尿病性網膜症)です。そして「じ」は、腎臓(糖尿病腎症)です。この「し・め・じ」は、体の中を通っている細い血管が、血糖値が高くなることで本来の働きが果たせなくなることから起こります。今回は、「じ」の腎臓と糖尿病との関係についてお話させていただきます。
 腎臓は、おへそよりやや上方の背中側に左右1個ずつある臓器です。腎臓は、血液の中にある必要な物質と、不必要な物質(老廃物)に分ける働きをしています。そして、必要な物質は血液と一緒に体の中に戻し、不必要な物質は、尿と一緒に体の外へ排出します。また、体の中の水分の調節や、血圧の調節なども行う重要な臓器なのです。糖尿病になり高血糖が続くと、これらの働きが低下し、体に不必要な老廃物や水分がたまり、だるくなったり、むくみが出たりします。そのため、自分の腎臓の代わりに、老廃物や水分を外に出すために、いわゆる透析療法(腎代替療法)が必要となるのです。
 糖尿病から腎臓を守るためには、血糖値や血圧を正常値に近づけることが必要です。しかし、腎臓の働きが弱っている時は、血糖値を下げようと無理に運動をすることが、かえって腎臓を弱らせることもあります。そこで、まずは自分の腎臓の働きがどのような状態なのか、確認する必要があります。腎臓は、働きが弱ってきても、なかなか症状としては現れてくれません。そのため、血液で腎臓の機能を確認したり、尿から蛋白などが出ていないか調べる必要があります。
 そこで、今回、当院で行う「糖尿病週間イベント」では、血糖値や血圧測定に加えて、尿から、蛋白が出ているか確認できる試験紙もお渡しすることにしました。ご希望の方には、生活相談や栄養相談も実施いたします。是非、この機会に、病院にお越しいただいて、自分の血糖値や腎臓の状態を確認してみてください。
 当院では、2012年6月より、医師・看護師・管理栄養士などがチームを組み、通院中の患者さまの腎臓を守るべく、生活相談や栄養相談を行っています。興味のある方は、是非、お近くのスタッフへお声かけください。