最近はすっかり初夏の陽気になってきましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?暖かくなり、お出かけの機会も増えているのではと思います。
そこで今回はお出かけの際に気をつけていただきたい、「転倒」についてご紹介します。
転倒の定義は「自分の意志からではなく、地面またはより低い場所に、膝や手などが接触すること。階段、台、自転車からの転落も転倒に含まれる」とされていますが、皆さま経験はあるでしょうか?ちなみに65歳以上の男性の約20%、女性の約40%が1年間に1回以上、何らかの形で転倒経験があるといわれています。また、人間のバランス機能は「70歳以降より急激に低下していく」といわれています。
転倒をしても大事に至らないケースもありますが、場合によっては背骨の骨折(脊椎椎体骨折)、太ももの付け根の骨折(大腿骨近位部骨折)、手首の骨折(橈骨遠位端骨折)などの大きな怪我を引き起こすことがあります。状態によっては手術やリハビリを行いますが、元の生活に戻るまでに時間がかかったり、何らかの介助を要するケースもありますので注意が必要です。このように、転倒により「健康寿命」を短くしてしまうことも考えられるため、より転倒を予防するような対策が重要と考えられます。
転倒予防については多くの方法がありますが、その1つが運動といわれています。そこで今回3つの運動をご紹介します。
(1)片足立ち⇒主にバランス能力を強化するトレーニングです。15秒間片足立ちが保持できない方はロコモティブシンドローム(運動器症候群:要介護になるリスクの高い状態になること)になる可能性があります。
(2)足の筋力トレーニング:スクワット⇒膝の屈伸運動により、立ったり歩いたりするのに必要な筋肉を鍛える運動です。写真のように、椅子につかまって運動しても効果があります。
(3)2重課題トレーニング⇒運動(写真は踏み台昇降)しながら計算問題を解いたり、隣の方からの質問に答えたりといった、複数の課題を同時に行うトレーニングです。近年転倒予防に効果的といわれています。
できたら毎日少しずつ継続すると効果的なので試してみて下さい。
また当院リハビリテーション室では、転倒と関連の深い「ロコモティブシンドロームについて」の講座を昨年度より開催しており、第3回が7月12日(土)の午後1時より当院6階ホールと1階リハビリセンターにて行われます。内容は、運動について理学療法士からの講演、第1回・第2回講座にご参加いただいた方の運動効果の確認、自分の運動能力を知るためのコーナーも設けますので、是非気軽にお越し下さい。
●お問い合わせ 聖隷佐倉市民病院 総合企画室 ☎043-486-1151(代)
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健康チェック
リハビリテーション室室長 白井 智裕 (しらい ともひろ)