現在、日本では、2人に1人が、がんに罹り、3人に1人が、がんで亡くなられています。
がんは、身近な病気です。外科治療、薬物療法とともに、放射線治療は、がん治療の3本柱の1つとされていますが、日本では、「わからない」、「怖い」とのイメージが先行し敬遠されがちです。当院における放射線治療につき簡単に説明します。
どんな人がうけるの?
放射線治療というと、がんの末期治療といった印象をもたれる方もいますが、実際はがんを完治させる治療から、がんによる苦痛をとる治療まで幅広い分野で活用されています。
たとえば、喉のがんに対しては、切らずに治す放射線治療が一般的です。また、早期の肺がんには、高精度放射線治療*を用いれば、数回の治療だけで治すことができるものもあります。一方、がんの完治が難しい状態になった時でも、がんによる痛みを和らげたり、腫れを抑えたりする治療にも非常に効果的です。
どうやって治療するの?
通常治療では、1回あたり専用の治療台の上で15分程度横になっているだけです。
体の外から正確に、計画された部分に放射線をあてていきます。放射線が出ている時間は、数十秒から1分程度、その間、痛かったり、苦しかったりすることは全くありません。病状、目的により、8週間程度から1日まで、一番適した方法を選択します。放射線治療のみであれば、外来通院治療も可能です。ただし、高精度放射線治療の場合は、1時間程度要する場合もあります。
副作用は?
放射線治療による副作用は、治療した部分にしか起こりません。ですから頭部を治療しなければ、髪の毛が抜けることはありません。治療部位と投与量によってさまざまですが、通常は、治療が終われば徐々に回復していきます。全身的な副作用が無いので、手術、薬物治療が難しい高齢者、体力低下が認められる場合でも治療できる可能性があります。よく問題にされる発がん性は、がん治療の現場では、ほとんど問題になりません。
このようなことから、欧米諸外国では、放射線治療は、がん患者の3人に2人が受けているとても一般的な治療です。聖隷佐倉市民病院では、高精度放射線治療による根治治療から、緩和的放射線治療まで、高品質で安全な放射線治療を提供しています。
興味をもたれた方、不明な点等ありましたら、放射線治療室までお気軽にお問い合わせください。
* 高精度放射線治療
画像診断機器(CT等)、精密な治療装置、コンピューターを使用し、がんの病巣部位へ集中して放射線をあてる技術。副作用を抑えつつ、治療効果を高めた方法。定位照射(いわゆるピンポイント治療)、IMRT(強度変調放射線治療)などがあります。
高精度な治療機器、品質管理が必要なため、当院以外にも、がんセンター、大学病院等で実施されています。
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STaD×聖隷佐倉市民病院『放射線治療について』 | トピックス | すたっとTV
健康チェック
放射線治療科 川上 浩幸(かわかみ ひろゆき)