「緩和ケア」または「緩和医療」という言葉を皆さんはご存じでしょうか。初めて聞く人もいれば、家族や自分自身ががんに対する医療を受ける中で提示されたり、勧められたりした経験を持つ方もいるかと思います。ここでは、この「緩和ケア(緩和医療)」が話題になった時のことについてお伝えしたいと思います。
緩和ケアは、一言でいえば「がんに伴うからだと心の痛み(つらさ)を和らげ、生活やその人らしさを大切にする考え方」です。今までのがん医療の考え方では、「がんを治す」ということに関心が向けられ、医療機関でも患者さんの「つらさ」に対して十分な対応ができていませんでした。しかし、最近では、患者さんがどのように生活していくのかという「療養生活の質」も「がんを治す」ことと同じように大切と考えられるようになってきています。
「緩和ケア」という言葉が出たとき、「これ以上は治療ができない」、「もう治らない」といった思いが頭をよぎる方が少なくないと思います。しかし、医療者はそのようなことを意図していない場合がほとんどです。緩和ケアは、がんが進行した時期だけでなく、がんが見つかった時から治療中の時期でも必要に応じて行われるべきものです。例えば、がんと言われたり、治療がうまくいっていないと言われた時に気持ちが落ち込んだり、不安で眠れなくなる、がん治療中に食欲がなくなったり、痛みが強まるといったことは起こりえます。緩和ケアは、こうしたつらい症状を緩和しながら「その人らしく」日々の生活を送ることを目標とした幅広い対応を行うことです。
では実際、緩和ケアという言葉が出たときに、どういったことを考えたり、準備したりしなければならないでしょうか。そういったことについて、12月13日(土)に「緩和ケアと言われたら」と題して、当院にて市民公開講座を行います。緩和ケアとはどういうものなのか、何をしているのかといったことから、緩和ケアが話に出た時にどういったことに注意すべきか、どのようなことを考えるべきなのかといった、緩和ケアに関する様々なことをお伝えします。ご興味がある方はどなたでも結構ですので、足を運んでいただければと思います。皆様のご参加をお待ちしております。
聖隷佐倉市民病院
緩和医療科
主任医長 村上 敏史(むらかみ さとし)
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