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健康チェック

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STaD×聖隷福祉事業団 聖隷佐倉市民病院『肩のいたみについて』

2015/04/01

肩関節はおもに鎖骨、肩甲骨および上腕骨の3つの骨で構成されています(図1)。また上腕骨の骨頭と呼ばれる部分は球状の形をしており、肩甲骨と球関節を作っています。
球関節は『お皿とボール』の関係に例えられることが多く、このような構造により肩関節は人体のなかで最も可動域(動かせる範囲)が広い関節です。この球関節の構造を安定させているのが、主に腱板と呼ばれるインナーマッスルや関節包および靭帯です。肩に痛みをきたす疾患の多くは、この球関節の安定性が破たんし、バランスが崩れることで痛みが起こるといわれています。
肩が痛む原因の主なものとして肩こりや四十肩、腱板断裂といった疾患があります。


肩のいたみとなる原因
 肩こりとは、一般的には『慢性的な首から背中にかけての張り感、重苦しさや痛み』といわれています。肩こりを招く原因として姿勢の異常や運動不足、筋肉への血流障害やストレスなど様々な要因が関与しているといわれています。四十肩とは、特に原因がなく発症し、痛みにより徐々に肩の動きが悪くなる疾患です。自然に痛みは軽減し、その後徐々に動きがよくなっていきます。四十肩の特徴として夜間痛をおこす場合があり、夜中にズキズキ痛み、ときに眠れないほどになることもあります。腱板断裂とは、インナーマッスルである腱板が断裂する疾患です(図2)。腱板断裂は若い人に起こることは稀で、高齢になるほど増加するといわれています。断裂の原因は様々ですが、転倒などの外傷のほか加齢による腱の変性などが関与しているともいわれています。


どのような治療が有効ですか?
 肩こりの場合、マッサージ療法(筋肉の血流を改善させ筋緊張をやわらげる)、温熱療法(蒸しタオル、入浴などで筋緊張をやわらげる)、運動療法(筋力強化)、安静、薬物療法(シップ薬、筋弛緩薬、局所注射など)などが有効です。特に僧帽筋の緊張が強い場合、僧帽筋の緊張をとるようなストレッチや肩甲骨の動きを出すようなリハビリが有効です。四十肩は自然に治ることもありますが、放置すると日常生活が不自由になるばかりでなく、関節が癒着して動かなくなることもあります。痛みが強い時期(急性期)には、三
角巾などで安静を図り、痛みどめの内服や注射などが有効です。急性期を過ぎたら、温熱療法(ホットパック、入浴など)や運動療法(拘縮予防や筋肉の強化)などのリハビリを行います。腱板断裂のほとんどは保存療法で軽快します。保存療法では、注射療法と運動療法が有効です。保存療法で肩の痛みと運動障害が治らないときは手術を行います。手術には、関節鏡視下手術と通常手術(直視下手術)がありますが、関節鏡視下手術の方が低侵襲で、手術後の痛みが少ないので、最近では関節鏡での手術が主流となっています。

肩の痛みについて悩まれている方はお近くの整形外科や当院へ御相談ください。

2015年度第1回市民公開講座
「肩のいたみについて ~肩こり、四十肩、腱板断裂を中心に~」
「私の肩はどうなってるの? ~セルフチェックと肩こり体操~」
 日時:5月9日(土)14:00~15:30(開場13:30)
 場所:聖隷佐倉市民病院 6階ホール
 講師:整形外科 医長 佐々木 裕/理学療法士 福山 容平
 参加無料。事前申し込みが必要となります。
◎お問い合わせ(土日祝祭日除く) 聖隷佐倉市民病院 総合企画室
 ☎043-486-1151(代) ※お電話のかけ間違いにご注意ください。
聖隷佐倉市民病院
整形外科
医長 佐々木 裕(ささき ゆう)