STaD TV webは「まちづくりメディアSTaD」誌面との融合型映像配信サイト!北総エリアのまちづくり情報をお届けします。

STaD×聖隷福祉事業団「教えて!『放射線』ってどんなもの?!」 | トピックス | すたっとTV

健康チェック

STaD×聖隷福祉事業団「教えて!『放射線』ってどんなもの?!」

2017/01/31

教えて!『放射線』ってどんなもの?!

『放射線』ってなに?
 放射線には、高速で飛ぶ小さな粒子と、光の一種で波のように伝わる電磁波の2種類があり、目には見えませんが、物質を透過する性質があります。エックス線(以下、X線)と呼ばれる医療で使われる放射線は、電磁波に含まれ波長が短いものです。
 実は、私たちの生活の中にも放射線は存在しています。その被ばく線量は1年間で2.1ミリシーベルトと言われており、胸部のX線検査を105回受けた時とほぼ同じ数値となります。
 当院では、放射線科・放射線治療科を備え、様々な診察・治療の為に『放射線』を用いた検査を行っています。放射線と聞くと少し怖いイメージがあるかもしれませんが、皆さまに、安心・安全に検査を受けて頂く為、よくある質問を紹介します。

Q1. 人間ドックで複数の放射線検査を受けましたが、心配ないですか。
   また、X線検査は1年間に何回まで受けても大丈夫ですか。
 放射線による検査は、病状把握と治療効果の判定に必要な検査です。
 「X線検査を行う利益が被ばくによる危険度より高い」と医師が判断した際に行われ、回数に上限はありません。また、無駄な被ばくを伴う検査が無いように医師や放射線技師も、必要なところだけに限局して放射線を当てるなど、工夫しながら撮影を行っています。
 人間ドックなどの健康診断は、年に2回程度の受診であれば影響が出る可能性は非常に低いといえます。

Q2. 放射線を浴びるとがんや白血病になりますか。
 放射線による発がんは否定できませんが、医療で使用されるような少ない放射線量では、その確率は非常に低いと考えられます。
※広島、長崎の原爆被ばく者の調査結果から、医療で使用されるような少ない放射線量(200ミリシーベルト以下)では、人については発がんのリスクが有意に高まることは確認されていません。

Q3. 胃のX線検査を受けた後、妊娠がわかったのですが
   赤ちゃんへの影響はありますか。
 今回のように妊娠していると知らずに検査を受けた場合、おそらく受精後0~8週間の時期であると考えられます。この時期は赤ちゃんの器官が作られる時期なので、ある線量以上の放射線を被ばくした場合は奇形が発生する可能性があります。
 奇形が発生する線量は100ミリグレイですが、この検査による被ばく線量は約1ミリグレイと少ないため、心配する必要はないと考えられます。
※参考資料: ICRP Publication 84

Q4. 妊婦なのですが、検査の付き添いで放射線科の待合室や
   X線検査室に入りました。赤ちゃんに影響はありますか。
 X線検査室はスイッチを押して放射線を出す仕組みになっているので、撮影していない時に検査室にいてもご自身や赤ちゃんへの被ばくの心配はありません。また、X線検査室から放射線が漏れていないかを定期的に観察しているため、待合室にいても被ばくの心配はありません。

放射線の単位について
●シーベルト(Sv): 人体が受けた影響の大きさ
●グレイ(Gy): 吸収した放射線のエネルギーの量

聖隷佐倉市民病院 放射線科 技師長 永友 秀樹