日本では、食生活の欧米化やライフスタイルの変化と共に、糖尿病や糖尿病予備軍の方が増加しています。40歳以上では、3人に一人が糖尿病や糖尿病予備軍といわれており、もはや国民病とも言えます。
では、糖尿病とはいったいどんな病気なのでしょうか。
人は、体の中にある膵臓から分泌されるインスリンというホルモンで、血糖値をコントロールしています。インスリンの分泌が少なくなったり、肥満などからインスリンの効きが悪くなって、インスリンの作用が不足すると、血糖値が慢性的に高い状態、いわゆる糖尿病となります。
血糖値が高い状態が続くと、血管の障害を引き起こし、神経や、目、腎臓に影響を与えます。また、動脈硬化も進みやすく、狭心症や、心筋梗塞、脳梗塞、壊疽などを起こしやすくなります。最近では糖尿病によって、歯周病やうつ病、認知症、骨粗しょう症、がんなどの発症リスクが高まるともいわれています。
糖尿病は、発症して早い段階では、症状を感じにくく、健診などで初めて糖尿病に気づくことが少なくありません。ですから、年に1回は健診を受けることで、糖尿病の早期発見に役立ちます。
■糖尿病の検査
血糖値 : 血液中のブドウ糖で、身体を動かすエネルギー源。健常人の空腹時血糖値は、70~110mg/dl。
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー) : 過去1,2か月の血糖の状態を推定できる。基準値は、4.6~6.2%。
尿糖 : 健常人では、検出されない。血糖値が160~180mg/dl以上になると、陽性になる。
■糖尿病の治療法
食事療法、運動療法、飲み薬やインスリン注射などの薬物療法
糖尿病は、残念ながら治る病気ではありません。しかし、血糖値を良好にコントロールすれば、合併症の進行を抑えることができます。糖尿病の治療法は、生活と結びついており、なかなか続けていくことが難しくもあります。症状も感じにくいため、治療や受診をやめてしまう方も多くいらっしゃいます。
そこで、生活習慣病センターでは医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士などの専門スタッフが、糖尿病と向き合っておられる方、そのご家族、また糖尿病を予防していきたい方々に対して、何かひとつでもこれならできる!と、感じていただけるように、様々な取り組みをしております。定期的に行っている糖尿病教室や、年に1度テーマを掲げて糖尿病イベントを行っています。また、当院に受診されている方へ、看護外来で個別に療養相談や足の爪切り、手入れ方法の説明も行っております。
糖尿病の治療は、継続することがとても重要です。ひとりで悩まずに、専門スタッフへご相談ください。
生活習慣病センター 糖尿病看護認定看護師 長谷川 裕美
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