●はじめに、そもそも放射線とは・・・
普通に生活していても、年間2.4ミリシーベルト(世界平均)の放射線を自然界から受けています。自然放射線の量は、地域により差があります。
放射線というと、原子力発電所や病院で発生する被ばくの人工放射線を連想しますが、自然界にもいろいろな種類の放射線が存在しています。大地からの放射線は、地球誕生から存在する地球上の放射性物質に由来しています。また宇宙からも放射線が飛んできますし、大気中から放出される放射線もあります。また人の体の中には、食物から取り込まれる放射性物質もあります。
これらの自然放射線の量は世界平均で年間2.4ミリシーベルトですが、日本での平均は1.5ミリシーベルトと言われています。
●放射能と放射線のちがい
似たような言葉でよく耳にしますがその違いは何でしょう?
放射能は放射線を出す能力のことです。
放射性物質は放射能を持つ物のことを示します。
放射線は放射性物質から出た物を示します。
電球と光の関係に置き換えると想像しやすいです。
●医療被ばく低減施設認定とは?
現代医療において放射線診療は欠かせないものになっています。医療機関から患者さまへの医療情報の開示や十分な説明が求められる中、放射線診療においても医療被ばくの説明が求められています。そのため、利用者が安心して放射線診療を受けるために診療放射線技師が求められる責務として、医療被ばくのさらなる低減の推進があります。
「安心できる放射線診療」を提供するために、公益社団法人日本診療放射線技師会が「医療被ばく低減施設認定」を始めました。
ただし、レントゲンやCT検査で被ばく量を減らしすぎると画像の画質が低下してしまい、病気が見えづらくなります。
そのため、DRLs2015(注1)が公表され、各施設で被ばく量と画質を検討し安心と安全な放射線診療を行えるように努めています。
●がんのリスクについて
下記は放射線を浴びた量に対するがんになるリスクを表にしたものです。
レントゲンやCT検査で浴びる放射線量は胸部レントゲンで0.05ミリシーベルト、胸部CTで10ミリシーベルトと検出困難の部類となっています。
被ばく量の多いと言われるCTでも発がんのリスクはとても少ない部類に入ります。
(注1)DRLs2015とは 2015年に発表された防護の最適化のための診断参考レベル(Diagnostic Reference Level)の略でこれを基に「医療被ばくガイドライン」が制定されました。
放射線科 防護委員会 向井 拓也
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STaD×聖隷佐倉市民病院「医療における放射線被ばくとは」 | トピックス | すたっとTV
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