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STaD×聖隷佐倉市民病院「 糖尿病と感染症は関連する」 | トピックス | すたっとTV

健康チェック

STaD×聖隷佐倉市民病院「 糖尿病と感染症は関連する」

2020/11/27

 糖尿病は、インスリンの働きが不足していることにより、血管の中のブドウ糖がきちんと処理しきれずに、だぶついてしまっている(血糖値が高くなっている)病気です。こうした状況では、感染症のリスクが上昇することをご紹介します。
 図1のグラフをご覧ください。この研究では、さまざまな感染症へのかかりやすさを、1型糖尿病あるいは2型糖尿病の患者さんと非糖尿病患者さんで比較しています(1)。おのおのの感染症について、1を超えていると、糖尿病患者さんのほうがかかりやすいということになるのですが、6種類のここに挙げた感染症すべてで1を超えています。
 次に図2のグラフを見てみましょう。これは、糖尿病患者さんにおいて、過去1~2か月の血糖値の平均値の指標であるヘモグロビンA1c(HbA1c)と、感染症へのかかりやすさ(何らかの感染症の治療薬の処方を受けたか)との関連をみた研究です(2)。HbA1cが7%を超えると、明らかに感染症へのかかりやすさが高まっており、糖尿病患者さんで、血糖値が高ければ高いほど感染症にかかりやすくなっていることがわかります。
 糖尿病あるいはその疑いがあると指摘されてそのままにしていませんか? 医師のもとでしっかり精査して、もし糖尿病あるいはその予備群(境界型糖尿病)と診断されるようでしたら、治療にとりかかるようにしましょう。
 また、すでに糖尿病と診断されている方は、主治医の先生と連携しながら、血糖値を良く保つように治療をすすめるとともに、予防接種を受けるなどして感染症にかかる確率を少しでも下げるようにしていきましょう。

内分泌代謝科 金原嘉之