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富里市の国登録有形文化財「旧岩崎家末廣別邸」一般公開始まる! | トピックス | すたっとTV

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縁側超しの客間

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倒木を活用して作られた案内板

富里市の国登録有形文化財「旧岩崎家末廣別邸」一般公開始まる!

2021/01/27

 富里市では、国登録有形文化財「旧岩崎家末廣(すえひろ)別邸」の一般公開を昨年12月から開始しました。
 市内初の国登録有形文化財「旧岩崎家末廣別邸」は、旧三菱財閥3代目総帥岩崎久彌(ひさや)氏が、養豚と養鶏を中心とする「末廣農場」の農牧事業に情熱を注いだ地で、昭和24年から晩年を過ごした終焉の地です。「末廣農場」は大正元年に開業。最新の設備と機械を導入した先進的な農法と様々な農事研究が行われ、日本の農業牧畜研究に多くの功績を残しました。また、ハムなどの加工食も自家生産していたことから近代農場経営の礎を築いたともいわれています。
 平成24年に三菱地所から土地と建物が市に寄贈され、翌年、主屋と石蔵、東屋の3棟が国の登録有形文化財に指定されました。主屋は南側に3つの座敷が並び、東南に座敷と数寄屋意匠の6畳間が張り出しています。北側には台所や浴室などが配置された建築面積約150坪の木造平屋建てです。主屋は外周のガラス障子が目を引き、大正時代の手透きガラスが匠の技を伝えます。庭の東屋も杉の面皮柱やコブシの木を天井に張り巡らせるなど趣向を凝らした造りで、洋間を持たない主屋の機能を補うゲストハウスとして、客人をもてなす場だったと考えられています。
 一昨年、千葉県を直撃した台風の影響により庭木が40本倒木、主屋の庇の銅板や東屋のガラスが破損しましたが、建造物への大きな被害は免れました。昨年10月から敷地内の整備が進められ、安全面で不安のある支障木約270本を伐採。伐採した木材はチップにされ、バイオ発電の燃料として再生されます。また、台風で倒れた木々も園内の掲示やベンチに有効活用され、市職員手作りの木製看板が来園者を迎えます。新設された園路からは主屋と東屋を間近で見学することができます。昨年12月の一般公開初日には市内外から約600名が訪れました。一般公開は毎週日曜日に開催。市職員による説明も随時行われています。
 「末廣農場」の末廣は、扇のように開く独特の地形に由来した地元の土地呼称です。農場の面影を残す地で、日本の農牧研究に多くの功績を残した歴史と研究に尽力した岩崎久彌の高い志に想いを馳せてみませんか。

【旧岩崎家末廣別邸一般公開】
●日時:毎週日曜日10:00~16:00(入園は15:30まで)  
●入園料:無料
●内容:庭園の一部および主屋と東屋の外観公開
※感染予防対策のため敷地内でのマスク着用にご協力ください。

●所在地:富里市七栄650-25  
●駐車場:100台
 富里市教育委員会生涯学習課  TEL:0476-93-7641