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STaD×聖隷佐倉市民病院「下肢静脈瘤をご存じですか」 | トピックス | すたっとTV

健康チェック

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STaD×聖隷佐倉市民病院「下肢静脈瘤をご存じですか」

2021/05/26

◆静脈瘤とは
 静脈が慢性的に高い圧にさらされて瘤(こぶ)の様に壊れてしまった状態をいいます。正常な足の静脈【図1】では筋肉運動による汲み上げと多数の逆流防止弁の働きで圧は低く保たれていますが、何らかの原因で弁が壊れて逆流【図2】したり、あるいは稀に(下肢の中心を走る太い)深部静脈に血栓ができるなどして血流が妨げられたりすると静脈高血圧となります。

◆症 状
 足の痛み、むくみ、熱感、かゆみなどがみられ、長時間の立位後や夕方に症状が強くなります。夜間のこむら返りもしばしばみられます。表面の静脈がだんだん太く曲がりくねって静脈瘤となり、さらに進行すると皮膚が硬くなって痛みを伴ったり褐色の色素沈着や潰瘍ができることもあります。

◆診 断
 超音波検査が有効です。静脈瘤の程度を評価するとともに深部静脈血栓症など他の病気が隠れていないか確認してから治療法を検討します。

◆治療法
 症状が軽いうちは、体重の減量、便通コントロールなど日常生活の改善や、弾性ストッキングを着用する圧迫療法があります。静脈瘤が細く狭い範囲であれば注射で治療する硬化療法がおこなわれます。皮膚炎を伴う太い静脈瘤は、放置すると潰瘍を生じて傷あとが残るため手術が必要と判断されます。深部静脈に問題の無いことを超音波で確認してから手術が行われます。ソケイ部(太腿の付け根)や膝裏に小さい切開をしておいて静脈瘤の根元を縛る方法(高位結紮術)、大腿の静脈瘤にカテーテルを通してレーザーや高周波電流による熱で瘢痕化する方法、あるいはワイヤーを通して抜去する方法などがあります。治療法は医師と相談して、効果と危険性を考慮して選択すべきでしょう。

◆最後に
 深部静脈血栓症が原因で下肢に静脈瘤が生じることは多いのですが、逆に静脈瘤が原因で深部静脈に血栓を生じることは稀です。しかしソケイ部や膝裏の静脈瘤に血栓を併発している場合は深部静脈血栓症や肺塞栓症を合併する可能性が若干高くなるため注意が必要です。

血管外科 部長 金岡 健


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