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STaD×聖隷佐倉市民病院「あなたのその肩の痛み、我慢せずに治しましょう」 | トピックス | すたっとTV

健康チェック

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整形外科医長 梶原大輔

STaD×聖隷佐倉市民病院「あなたのその肩の痛み、我慢せずに治しましょう」

2021/07/29

 4月から新しく赴任しました、梶原大輔と申します。私は肩・肘を専門に診療をしています。肩でお困りの方がこの記事を読んだことで、少しでもお役に立てたら幸いです。

【肩痛は意外と身近な病気】
 肩関節の痛みは日本人の慢性の関節痛において腰・首に続き3番目に多く、日常診療において遭遇する機会の多い症状の1つです。
 肩の症状は痛みだけではなく、筋力低下や関節の可動範囲が狭くなるなど、症状は多岐にわたり、生活の質の低下を招きます。
 若年者のスポーツ障害や骨折、脱臼などの外傷を除き、肩に症状を感じ始める年代は50?70代を中心とした中高年に多いですが、早ければ30?40代で発症する方もいます。

【症状が軽いうちに整形外科受診を】
 「ちょっと肩が痛いだけだから」、「一番辛い時に比べれば良くなってきたから」などの理由で整形外科を受診しないのはお勧めできません。放置すると、日常生活が不自由になるばかりでなく、痛みが原因で肩を動かさないでいると関節が硬くなってしまい、さらに痛みが増悪する悪循環に陥ります。また症状がピークを過ぎている場合でも、症状には波があるため、軽微な負荷で悪化することがあります。調子が良いから草刈りをした、重いものを持ったなどの動作により、症状が再燃する可能性があります。
 治療期間を短くするためにも、症状が重くなる前に受診することをお勧めします。肩症状で悩まれている方は遠慮なく当院やお近くの整形外科へご相談ください。

【肩の代表疾患】
 代表疾患として、四十肩/五十肩(凍結肩)、腱板断裂、変形性肩関節症などがあります。これらの疾患は比較的似た症状を呈することが多く、これといった特徴的な症状があるわけではありません。そのため、問診や身体所見に加え、レントゲンやMRIなどの画像所見を総合的に判断します。

【治 療】
 治療方法は、内服や注射、リハビリテーションなどの保存療法と手術療法に大きく分かれます。いきなり手術になることはなく、多くが保存療法で軽快します。しかし保存療法を続けても治療が長期に及ぶ場合や、患者さんが希望するレベルまで症状が改善せず、仕事や日常生活に支障をきたす場合は手術療法を検討します。手術は疾患や重症度によって変わりますが、直接患部を見て関節を金属に置き換える人工関節置換術と、関節鏡という細い筒状のカメラで関節内を観察・操作する関節鏡視下手術があります。疾患・病状にもよりますが、入院期間は肩装具が取れて生活が落ち着く頃の約1ヶ月程度になることが多く、早ければ肩装具をつけたまま術後1?2週間ほどで退院する患者さんもいます。入院中・退院後もリハビリテーションを通じて症状緩和を期待します。


【つらい症状がなかなか良くならない患者さんへ】
 コロナ禍により特に中高年の方は屋内での時間が増え、肩を動かす頻度が減少し、肩がさらに硬くなる可能性が考えられます。
 長引く症状のために手術を勧められた患者さんにおかれては、身構えてしまうのももっともです。手術を受けることで、術後に一定期間の生活上の制限が生じるだけではなく、手術に伴う合併症のリスクも0ではないため、手術をしない選択肢もあると思います。しかし、働き盛りの40?60代に痛みを抱えながら現状維持で我慢し続けるという選択が最適かどうかは疑問が残ります。最近の肩の手術は以前と比べて痛みや出血が少なく、インプラントの耐久性も向上したことで良好な治療成績が期待できます。保存治療で十分な効果が得られない場合には、生活の質を保つ治療方法を検討することをお勧めします。

聖隷佐倉市民病院 整形外科医長 梶原大輔

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〒285-8765 佐倉市江原台2-36-2
TEL:043-486-1151(代) TEL:043-486-1155(予約専用)(平日8:30~17:00)
※整形外科をご受診される際はお電話にてご予約をお取りください。