皆さん、内視鏡検査は受けたことはありますか?
太さ1cm程度の細長い管の先にカメラがついており、胃や食道、十二指腸、大腸等の消化管疾患の診断・治療を行います。当院では9月13日から、最新の機能を備えた内視鏡システムが導入されました。今回は導入された内視鏡システムの特徴についてご紹介します。
◆特殊光観察が可能
内視鏡検査では、通常白色光を用いて検査を行います。しかし、白色光だけでは良性か悪性かを判断できないこともあります。疑わしい病変がある場合には、特殊な光に切り替えて観察を行います。
BLI(Blue Light Imaging)観察
青紫色光と白色光の照射を行い、そこで得られた画像の信号処理を行うことで血管や粘膜の表面構造の観察に適した画像を映し出します。これらの画像から、初期の胃がんや大腸がんの発見をサポートすることができます。
LCI(Linked Color Imaging)観察
白色光の中に青紫色光を混合した光を照射し、得られた画像の粘膜表面の赤みをより強調して映し出します。内視鏡検査では、正常な粘膜と炎症がある粘膜を区別する必要がありますが、これらの色調の違いが分かりづらい粘膜もあります。LCIを使用することで、その僅かな色調の差を強調することができます。
◆CAD EYE(内視鏡診断支援機能)も搭載!
初期の大腸がんは、内視鏡手術や外科手術で切除できる可能性が高く、早期発見することが重要です。CAD EYEは富士フィルムのAI技術を用いた大腸内視鏡診断支援機能です。
LCIと併用すると、大腸ポリープがある領域を判断し、画面上に検出ボックスとして表示されます。また、BLIと併用することで、ポリープが良性か悪性かの可能性を推定しリアルタイムで推定結果を表示します。
このような特殊光検査や診断支援機能を使用することで、より確実性の高い内視鏡検査を行うことが可能となり、医師の診断のサポートに一役買っています。これらの最新技術を導入し、病状の早期発見、確実な診断につなげるとともに、これからも地域医療の貢献のため設備の拡充や人材育成に努力して参ります。
臨床工学室 臨床工学技士 中條馨代
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