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STaD×聖隷佐倉市民病院「あなたの手の痛み、もしかして!?」 | トピックス | すたっとTV

健康チェック

STaD×聖隷佐倉市民病院「あなたの手の痛み、もしかして!?」

2021/11/28

整形外科 副部長兼関節センター長 上野啓介


■つまむ、持つ動作で母指のつけねが痛い!ー*ー*ー*ー*ー*ー

●それって、母指CM関節症かも!
 母指CM関節とは母指(親指)のつけねにある関節で手の指の中では最もよく動く関節です。ものを握ったり、つまんだりする動作にも大きく関わり、家事をする際にも実は気付かないうちにこの関節を酷使しているかもしれません。使いすぎや加齢などさまざまな要因で発症し、変形してくると痛みを伴い、家事や仕事などにも支障をきたしてしまいます。母指CM関節症は男女ともに発症しますが特に中年以降の女性に多く見られます。痛みが無くても関節の変形を認める方も多く、比較的発症頻度が高い身近な関節症です。

こんな時症状ありませんか?
◆母指のつけねが痛い
◆物をつまむと痛くて力が入らない
◆手をつくと痛い
◆母指が開かなくなってきた

●この痛み、どうしたらいい?
 母指CM関節症は関節の表面を覆っている軟骨が削れ、骨同士が擦れたり、炎症を伴うことで痛みが生じます。初期であれば投薬、注射などの保存療法である程度は痛みをとりのぞくことができます。ですが、関節の変形が一度進行してしまうとその変形は元には戻りません。そのため痛みが強く生活に支障がきたしている場合や症状がよくならない場合は手術をすることもあります。

《保存療法では何をするの?》
・湿布、痛み止めの服用
・サポーター、装具
・関節内へのステロイド注射


■指がカックンカックン引っかかって痛い!ー*ー*ー*ー*ー*ー

●それって、ばね指(腱鞘炎)かも!
 指を曲げるときに動く屈筋腱の通り道で炎症が起こり、通り道が狭くなり痛みが生じたものを腱鞘炎と呼びます。進行し、引っ掛かりが生じたものをばね指といいます。重症化すると指が曲げられなくなったり、曲がった状態から伸ばせなくなります。40?50歳台の女性に多く発生し、60歳以降の人にも多く見受けられます。
 特に出産後や更年期年齢の女性の方など女性ホルモンのバランスが崩れている方、糖尿病の方、透析治療をしている方は発症しやすいです。


●この痛み、どうしたらいい?
 治療は安静が第一ですが、ばね指になる方は家事をする方や仕事で手を使う方が多く、なかなか安静にできず改善しないという方が多く見受けられます。症状が改善しない場合には主にステロイドの注射を行うことが多いです。ですが、ステロイドの注射は効果はありますが、注射時の痛みや合併症のリスクを考えると頻回に注射を行うことはお勧めできません。そのためまずは自宅でもできるストレッチを行うことをお勧めいたします!
 ストレッチや注射をしても症状をくり返し、生活に著しい支障をきたしてしまっている場合には手術をすることもあるため、指の使いすぎには注意をしましょう!

この2つの疾患以外にも手の痛みに関する疾患はたくさんあります。悩まれている方はなにか対処法があるかもしれません。
遠慮なく当院やお近くの整形外科へご相談ください。