よくある医療被ばくに関する疑問にお答えします!
Q. レントゲンやCTなどの放射線検査って必要ですか?
A. 病気の診断と治療のために必要な検査です!
近年、放射線を利用した検査・治療は様々な分野で活躍していますが、どの検査や治療も、国際放射線防護委員会(ICRP)の「放射線防護の基本3原則」の考えに沿った検査や治療を行っています。
放射線検査によって得られる病気などの詳しい情報による利益(メリット)が、被ばくによる危険度(リスク)よりも高いとされる場合に、放射線検査は正当化され必要とされています。
*「放射線防護の基本3原則」とは放射線を利用する場合の「行為の正当化」「防護の最適化」「線量限度」の3つの原則を示します。
Q. 放射線検査は1年間に何回受けても大丈夫ですか?
A. 放射線検査の回数に制限はありませんが、必要な検査のみを行っています!
放射線による画像診断は、病状把握と治療効果の判定に必要な検査です。
前問にあるように「放射線検査を行う利益(メリット)が被ばくによる危険度(リスク)より高い」と医師が判断した際には何回でも行います。ですから、無駄な医療被ばくを伴う検査が無いように医師はもちろん、診療放射線技師も考えながら撮影を行っています。
例えば目的部位以外には被ばくがなるべくないように撮影範囲を最小限に絞ったり、経過観察をされている方など、高画質で撮影する必要が無い方に関しては、被ばく量を減らすなどの措置を行っています。
Q. 妊娠の可能性を否定できない場合、放射線検査は受けられますか?
A. 主治医と相談したうえで検査を受けてください!
妊娠初期は本人も気づいてないことがあります。そのまま腹部の放射線検査を受けてしまうと、母胎にとっては身体の一部分の被ばくであっても、胎児にとっては全身を被ばくしたことと同じになります。
腹部のレントゲン写真を一枚撮ったからと言って、胎児に影響が起きるわけではありませんが、胎児が放射線を浴びる可能性がある腹部の検査において、妊娠していない確実な時期を選ぶことが大切です。
*緊急を要する疾病のときは、必要なものですから医師と相談のうえ、検査を受けてください。
*腹部から離れており、胎児が被ばくする可能性が少ない検査においては問題ありませんが、妊娠初期より安定期に入ってからの方が良いと言われています。
Q. 放射線を浴びると「がんや白血病」になるというのは本当ですか?
A. 放射線による発がんは否定できませんが、医療で使用されるような少ない放射線量では、その確率は非常に低いと考えられます。
放射線による発がんは否定できませんが、医療で使用されるような
少ない放射線量では、その確率は非常に低いと考えられます。
*広島、長崎の原爆被ばく者の調査結果から、医療で使用されるような少ない放射線量では、人についての発がんリスクが高まることは確認されていません。
大量の放射線を浴びると、がんや白血病になる確率は高くなりますが、被ばくしてからがんが発生するまでには長い時間がかかります。例えば白血病で5~10年、その他のがんは10年以上かかります。放射線とがん発生との因果関係を求めるには、長い期間が必要なため結論が出ていません。
※医療被ばくについて分からないことや知りたいことは、主治医または診療放射線技師に聞いて、安心して検査を受けましょう。
放射線科 防護委員会
STaD TV webは「まちづくりメディアSTaD」誌面との融合型映像配信サイト!北総エリアのまちづくり情報をお届けします。