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健康チェック

STaD×聖隷佐倉市民病院「喫煙と慢性閉塞性肺疾患(COPD)について」

2022/11/29

喫煙と慢性閉塞性肺疾患(COPD)について
呼吸器内科 山岸 一貴

●喫煙のリスク 
 タバコの煙には、様々な有害物質が含まれており、ガンや高血圧、メタボリックシンドロームや胃潰瘍、不整脈など様々な病気をひき起こします。なかでも、慢性閉塞性肺疾患(COPD)は喫煙者の5~6人に1人がかかる病気です。日本では500万人以上がかかっているとされていますが、病気そのものがあまり知られていないため、病気であることを自覚しにくく、喫煙を続けて重症化してしまうことが多いです。「タバコを吸っている(吸っていた)から」「咳・痰はタバコのせいで、いつもあるから」といった理由で、ご自身の症状を過小評価しがちです。

●喫煙によってひき起こる病気
《慢性閉塞性肺疾患(COPD)》
 1日当たりの喫煙本数を、喫煙年数と掛け合わせたものを喫煙指数といいます。喫煙指数が400で19%、1200以上では70%の方がCOPDと診断されます。
 喫煙により一度破壊されてしまった肺や気道(気管支、細気管支など)は元には戻りません。また、呼吸機能も18~20歳をピークとして、加齢により徐々に悪化します。このため、長期間や多量の喫煙をしている方のみならず、禁煙してから年月を経過して症状が出現してくることもあります。COPDの治療は現在、吸入薬(一般的には1日1回、1回1吸入)で治療することが多く、呼吸機能の検査で出てくる「肺年齢」を若干若返らせることができる可能性があります。ただし、吸入治療を行っても、喫煙を続けたままですと効果がかなり限られてしまうほか、吸入薬は肺そのものを修復する薬ではありませんので、やめると元に戻ってしまいます。このため、長期間吸入薬を続けていただくことをおすすめします。また、タバコによるCOPDの悪化スピードは禁煙により鈍化します。この記事をご覧になったことをきっかけに、禁煙していただくことをおすすめします。 


【COPDを疑う特徴】ーーーーーーーーー
・40歳以上
・咳、痰
・動いた時の息切れ
・風邪をひきやすい
・症状が風邪をひくと悪くなる

【喫煙指数】ーーーーーーーーー
・喫煙本数(1日当たり)×喫煙年数

【例1】
1日20本(1箱)を18歳~63歳
喫煙指数=20本×45年=900

【例2】
20~60歳は40本、60歳~70歳は20本
喫煙指数=40本×40年+20本×10年=1800


《ニコチン依存症》
 タバコに含まれる有害物質のうち、精神や身体に働きかけ依存症をひき起こすものがニコチンです。長期間習慣的にタバコを吸っている人の多くは、「ニコチン依存症」と呼ばれる病気ですので、治療の対象となります。治療には、まず喫煙をやめるという決意が必要ですが、気持ちや心がけだけでは禁煙に何回も失敗することも珍しくありません。それだけタバコの精神、身体に対する依存性は強いと言えます。一般的に、ニコチン依存症の治療には、治療薬や認知行動療法、カウンセリングが行われます。


●禁煙治療について
 当院では治療薬を用いた禁煙外来を行っています。禁煙外来では、治療薬とともに禁煙するために気を付けていることなどを、医師、看護師などと話し合いをすることで禁煙の成功率を高めます。ご自身、そしてご自身の大切な方の健康を守るために、禁煙外来に一歩を踏み出してみませんか。
 なお、2022年12月現在、内服の治療薬の供給が全世界で停止しており、供給再開の見通しが立っておりません。このため、当院では貼るタイプの治療薬を処方しています。以前は、ほぼ全員が飲み薬を選択されて治療していました。しかし、貼り薬で治療されている方の治療成績は、飲み薬で治療されていた方の治療成績に勝るとも劣らない印象です。当禁煙外来としましては、飲み薬の治療が再開できるまで待たずに、貼り薬での治療を始めていただくことをおすすめしています。

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月・木・金(午後) 完全予約制
かかりつけ医にご相談うえ、紹介状をご準備しご予約ください。


月(午後) 完全予約制
受診を希望される方はスクリーニングテスト、喫煙指数の確認が必要です。
事前にホームページから受診可能かご確認のうえ、ご予約ください。
http://www.seirei.or.jp/sakura/