STaD TV webは「まちづくりメディアSTaD」誌面との融合型映像配信サイト!北総エリアのまちづくり情報をお届けします。

STaD×聖隷佐倉市民病院「こどもの発熱」 | トピックス | すたっとTV

健康チェック

STaD×聖隷佐倉市民病院「こどもの発熱」

2023/05/28

 朝は鼻水が少しだけ出ているけれど熱もなく元気に登園して、昼間は保育園で元気に遊んでいたはずなのに、夕方帰ってきたらなんだか様子がおかしい。ほっぺが赤くて身体が熱い。まさか、と体温を測ってみたら39℃!子育て中または子育て経験者の方なら、こんな状況を一度は経験されたことがあるのではないでしょうか。しかし何度経験してもその時になると慌ててしまうし、どの段階で病院に連れて行っていいのかわからない、そんな方も少なくないのではないでしょうか。そんな時のために今回はこどもの発熱についてご紹介します。

●なぜ熱が出るの?
 こどもの発熱原因の大部分は風邪などのウイルス感染症です。ここでは、風邪などの感染症による発熱を想定して説明します。ウイルスなどの病原体が身体に侵入すると、免疫反応を起こして病原体を倒す戦いが始まります。免疫細胞(≒自分の身体)にとって戦いを有利に進めやすいのは体温が高い状況の時です。有利に戦える状況をつくるために体温を普段よりぐっと持ち上げる、この結果体温が37.5℃以上に上がるのが発熱です。

●熱が出たらまずやることは?
 乳幼児は普段の体温が大人よりも高いことが多く、また、服装やまわりの気温によって体温が左右されやすいです。37.5℃以上の体温を見たら肌着一枚にして涼しい環境で10-15分くらい過ごしてからもう一度検温してください。それでも37.5℃を超えているようであれば、発熱として対応しましょう。

●発熱の時にチェックすること!
□呼びかけに対して普段通りの反応が返ってこない
□機嫌が普段通りではない
□水分が摂れていない
□遊ぶ元気がない。眠れない

 保護者の方から見て上記に当てはまらなければ、まずはおうちで様子を見ても大丈夫です。いきなり高熱が出るとびっくりすると思いますが、高熱=重症とは必ずしも言えません。一般的にこどもは大人と比べて熱が高くなりやすく、熱に強いとされています。大人が高熱を出すと動けないほど辛くなる方が多いと思いますが、幼児では高熱が出ていても機嫌良く遊べるくらい元気にしていられる場合もあります。


●解熱剤を使うタイミングは?
 おうちでできることは?
 解熱剤を使うタイミングは左記の「発熱の時にチェックすること」に1つでも該当する場合、簡単に言えば『ぱっと見た目で本人が辛そう』な時です。体温が何度以上でなければ使用できないということはありません。39℃の高熱であっても本人が機嫌よくニコニコしていられる、もしくは夜眠れている場合は急いで解熱剤を使う必要はありません。また、6か月未満の赤ちゃんでは解熱剤が効きすぎてしまう場合があるため、原則使用しません。
 解熱剤の他には、クーリング(冷却)も効果的です。首や脇の下、脚の付け根など大きな血管が走っている付近に氷のうや保冷剤を当ててください。冷感シートは貼って気持ちが良いようであれば使用してもかまいませんが、冷却効果はほぼありません。ご使用の場合は、剥がれて口や鼻を塞いでしまうことが無いように十分に注意しましょう。


【こんなときはすぐ受診を!】
下記のような症状が見られたらなるべく速やかに医師の診察を受けてください。

□ぐったりしていて顔色が悪い
□水分が摂れず半日以上おしっこが出ない
□呼びかけてもぼんやりしている、すぐにウトウトと眠り込む
□けいれんした

●生後3か月未満の赤ちゃんは…
 必ずなるべく早めに受診するようにしてください。生後6か月頃までの赤ちゃんは、お母さんに胎盤経由でもらった免疫に守られています。しかし、特に3か月未満の赤ちゃん本人はまだ自力で病原体と戦うための免疫が未熟です。風邪をもらってしまい熱が出たというケースが大部分ですが、まれに重症の細菌感染症が紛れていることもありますので、3か月未満の赤ちゃんの発熱の多くは入院してきちんと検査と治療を行うことが勧められます。

●迷ったら?
 元気でも5日以上熱が続く際は受診をお願いします。それよりも経過が短くとも、保護者の方が『受診した方がいいのかな?』と迷う場合は、それが受診のタイミングと言って差し支えないと思います。遠慮なく受診してください。いつものお子さんの様子を一番よくご存じの保護者の方から見て『何かおかしい』と思う場合は受診してそのことを医師に伝えてください。うまく説明できなくても根拠がわからなくても構いません。自分の症状をまだ言葉で説明できないこどもたちを診察する際は、私たち小児科医は保護者の方の直感を大いに頼りにさせていただいています。そうした直感を率直に教えていただければ大変ありがたいです。


診療科により、受付時間・休診日等が異なります。ご受診される方はホームページでご確認の上ご来院ください。

〒285-8765
佐倉市江原台2-36-2

TEL:043-486-1151(代)
TEL:043-486-1155(予約専用) 平日8:30~17:00