競走馬の保養育成の牧場である「小林牧場」は、花見の名所としても知られています。入口からロータリーまでの約700mにわたって桜並木が続き、両側から重なり合うようにして咲き誇る満開のソメイヨシノは圧巻。夜桜も美しく、軒を連ねる露店商も楽しみの一つで、夜桜を愛でながら舌鼓を打つのもおすすめです。
印西市が誇るもう一つの桜の名所が「吉高の大桜」です。地元の須藤家本家の氏神祠に植えられたヤマザクラで、農地に1本だけ咲き誇る孤高の桜です。幹周囲約8.5m、樹高約13m、枝張最大幅約27mを誇り、印西市の天然記念物に指定されています。ソメイヨシノより開花が一週間程遅く、見頃は2日程度と極めて短いのも特徴です。
大桜の保全・育成に取り組んでいるのが「吉高の大桜を守る会」の皆さん。地域の文化財を守っていこうと2006年に発足。地元印西市を始め、成田市や佐倉市など、近隣地域の約15名で構成されています。根回りには肥料を散布。枝に付着した苔の除去や枯れ枝の処理、春から秋までは草刈りに汗を流します。桜のシーズンが近づくと、ウッドチップの敷設やベンチ作り、駐車場から会場までの道のり約2㎞のゴミ拾いを行うなど、来訪者を迎える準備に勤しみます。
2019年の台風被害やテレビ中継が入ると来訪者が急激に増え、一気に木が弱るなど、危惧される状態に陥ることもありました。昨年11月には、約20名の樹木医が吉高の大桜を調査対象に研修に訪れ、土壌分析や水の浸透具合、幹の中の状態など入念に調査。2月下旬に調査結果が報告されます。大桜の状態に皆、不安を抱えながらも、調査では300年以上といわれていた樹齢が500年以上と診断される嬉しい知らせや、若手樹木医2名が会の一員になってくれたことも大きな喜びです。
全国各地の桜を撮影する写真愛好家たちも感動するなど、数十本の支柱に幹や枝を委ねながらも威風堂々とした佇まいで魅了されます。生まれも育ちも吉高で会の代表を務める77歳の須藤 謙さんは、「子どもの頃は木登りして遊んだよ」と笑います。クチコミで評判が広まり、北海道や九州、海外からなど、現在では毎年3万名以上が訪れる名所になりました。シーズンには会のメンバーが竹の子ご飯や野菜、焼き芋販売などを行い、来訪者を迎えます。
年々開花が早まり、昨年は3月末に見頃となりました。会の皆さんの地道な活動のもと花を咲かせる吉高の大桜を愛でてみませんか。
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【吉高の大桜を守る会】(問)内藤さん TEL:090-3593-8237
【小林牧場の桜まつり】
開催日時(予定):3月23日(土)・24日(日)10:00~15;00(雨天中止)
会場:印西市小林2886-1
【吉高の大桜まつり】
開催日時(予定):3月30日(土)・31日(日)10:00~15;00(雨天中止)
会場:印旛中央公園駐車場(印西市瀬戸1518)から徒歩約10分(桜まで約20分)
(問)NPO法人印西市観光協会 TEL:0476-45-5300(印西市観光情報館)
HP:https://inzaikankoukyokai.com/
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印西市の2大花見スポット紹介 「小林牧場の桜/吉高の大桜」 | トピックス | すたっとTV
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