ふくらはぎや膝の裏側の血管がボコボコと浮き出て瘤をつくったり、くもの巣状の細かい血管が浮き出て見えたりしませんか?
日頃、足にはれやむくみがあり、夜に脚がつったり、脚が重くてだるくなったり、かゆみや湿疹などが出てきたりしたことはありませんか?
このような症状は年齢からくるものだろう、あるいは日常の疲れからくる症状だろうと見逃してしまう症状ばかりです。
このような症状に思いあたったら、下肢静脈瘤という脚の病気の可能性があります。
下肢静脈瘤は、病気の進行が遅く、成人女性の5人に1人、50歳代では3人に1人、60歳以上ではほぼ50%の方に見られます。女性に多いのは、妊娠中の腹圧が高くなることから静脈に負荷がかかり、静脈内にある血液の逆流を防ぐ弁が壊れてしまうからと考えられています。
また、性別にかかわりなく長時間の立ち仕事をされている調理師、教師、理容師・美容師といった方(小生のように、昔、学校で一日中立たされていた方も??)に多く見られ、全国で1500万人もの患者がいるといわれているほどポピュラーな病気でもあります。
見た目が気になる病気ですが、なかには、エコノミークラス症候群といった静脈血栓症など生命に関ることも稀ではなくなりました。多くの方たちが悩みを抱えたまま、適切な治療の機会をえられず、放置されているのではないでしょうか?
膝の裏側の血管やふくらはぎの血管が浮き出てくるように見え、その後放置したままでおくと血流障害によって潰瘍ができたりすることもあります。
ご自分で膝の裏やふくらはぎの血管を確かめられ、だるい、重い、むくむなどの症状があるようであれば、下肢静脈瘤の疑いがありますので、血管外科を受診されることが安心の第一歩となります。
現在では、からだに負担のかからない超音波検査などが行われており、症状にあった適切な治療法(局所麻酔での日帰り・一泊入院手術)も確立されており、新たに保険が適用された注射で治療する硬化療法など患者様の負担も軽減されました。静脈瘤が重症化する前に早期発見、早期治療することで脚のトラブルを解決しましょう。老いは足元から!小生はいつもそのように感じています。
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健康チェック
聖隷佐倉市民病院 田代 秀夫先生