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腎臓に感謝したくなる本を出版 | トピックス | すたっとTV

健康チェック

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柏原英彦(かしわばら・ひでひこ) 医学博士・聖隷佐倉市民病院

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○書籍情報/三五館 定価1、365円(税込)

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腎臓に感謝したくなる本を出版

2006/12/01

この度、聖隷佐倉市民病院の柏原英彦名誉院長が長年取り組んできた腎臓移植に関する本を出版しました。
この本に対する思いについて、すたっと編集部が伺ってみました。

(1)出版の経緯について教えてください。 
 まずこの本の表題についてですが、私から3つの気持ちを込めて本の名前を付けました。
 一つは、私達の体の中には腎臓が2つありますが、どのような働きをしているのか気が付かないまま普段の生活を送っています。しかし、もしこの腎臓がなかったら命も奪われてしまうほどの重要な臓器であることの認識を持って頂き、正常に働いていることに感謝することです。
 二つ目は、いろいろな種類の腎臓病がありますけれども、その腎臓病の末期になると人工腎臓あるいは腹膜潅流というものを施さないとおよそ2週間ほどの生命となってしまいます。そのような腎不全にならないように、日ごろどのように気を付けたらよいかをお伝えして、腎臓病の知識をもってもらいたい…という願いです。
 三つ目は、不幸にして腎臓がダメになってしまい、透析に入った場合に腎臓移植という治療法がありますけども、腎臓移植を待っている人が非常に多く、そのような方々に腎臓の提供があれば、透析の時に味わった苦しみからも開放され、社会復帰ができます。腎臓に対して三つの気持ちを込めて、この「腎臓に感謝したくなる本」を今回まとめてみました。

(2)腎臓は、どんな役割を持つのでしょう?
 腎臓は、ちょうど肋骨(あばらぼね)の後ろ側に二つあります。握り拳大で、ソラ豆のような格好で背骨の前にあります。
 一番大きな役割は、水分を出すということ。私達は毎日尿を約1000mlほど出しています。水分を出すと同時にその中に体の中でできた老廃物を排泄してるんです。また体の中を微妙に調節する機構を有していて例えば、食塩を大量に摂取した場合でも、きちんとナトリウムを体の中に一定に保つなど、体の中の環境を常に一定に保ってくれています。水分をたくさん摂っても体重増加はなく、体内をアルカリ性に保ってくれます。
 また、赤血球を作るホルモン、あるいは血圧を調節するホルモン、さらには骨を丈夫にするカルシウムの代謝に関係します。その他にもたくさんのホルモン作用を持っている非常に重要な臓器なんです。これが腎臓の役割と言えるでしょう。

(3)読者の方にお伝えしたいこと
 残念ながら日本では世界の透析患者さんの5分の1、27万人が治療を受け、その中で移植を待っている方が1万4000人もいます。私達はいつかは死に直面する時が来ます。交通事故、あるいは脳の血管病など不慮の事故か病気にいつ遭うか分からないということです。もしそのようなことになった時に腎臓の提供を申し出が出来るよう、今回は「臓器提供意思表示カード」というドナーカードを本の中に付けさせて頂きました。
 また、多くの方々に腎臓病について理解を深くしてもらうため、患者さんの手記も織り込んでいます。
 是非この本を読んで頂き、ご賛同頂いた方はドナーカードにサインをしてお財布の中に入れておいて頂ければ幸いと思います。