〝○○の秋〟と聞いて、皆さんは何を想像しますか?
〝読書の秋〟、〝スポーツの秋〟、いろいろありますが、やはり、〝食欲の秋〟を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。食べ物にはそれぞれ「旬」があり、春には春の、夏には夏の食べ物があります。では、なぜ秋だけが〝食欲の秋〟といわれるのでしょう。
おそらく、暑さを乗り越えて気候が涼しく過ごしやすくなるため、食べ物もおいしく感じられるようになり、夏の間に減少しがちだった食欲が戻ってくる――と考えられますが、それだけではありません。秋から冬にかけて食欲が増すのは、食べ物が少なくなる寒い季節に備えて、栄養を蓄えておこうという動物の本能によるところがあるようです。もちろん、本能にまかせて食べ過ぎてしまうのは考えものですが、おいしい秋の食材をいくつか紹介したいと思います。
ところで、皆さんは食べ物の「旬」をちゃんと知っていますか? 「旬」は《ある特定の食材が他の時期よりも新鮮でおいしく食べられる時期》を指しますが、《10日間》という意味もあり、本来、食べ物が本当においしく食べられる期間は短いということを表しているとも考えられます。今では一年を通して手に入る食べ物も多くなりましたが、旬のものはよく市場に出回るため値段も安価になりやすく、お財布にやさしい食べ物でもあります。また、夏の食べ物は身体を冷やすものが多く、冬の食べ物は身体を温めるものが多い、というように、その季節に必要な効能を含む食べ物であることが多いようです。その季節の旬のものは、新鮮でおいしく値段が安いだけでなく、栄養価も高くなっていることが多いため、旬のものを積極的に食べたいものです。
秋が旬の食べ物を積極的に食べて、夏の疲れを癒し、寒い冬に備えましょう。ただし、気温が下がると代謝も低下しますので、いくら食欲の秋でも食べ過ぎは禁物。気がついたら体重が激増していた!!
・・・なんてことがないようにしたいですね。
~秋刀魚(サンマ)~
EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)などの脂肪酸を多く含むため、血液をサラサラにし、血管を丈夫でしなやかに保つはたらきがあります。また、炎症を抑える働きもあるため、夏に弱った胃腸の回復に一役買ってくれます。
~茄子(ナス)~
ほとんどが水分で、身体を冷やすはたらきがあります。「秋茄子は嫁に食わすな」ということわざは、嫁の身体を冷やさないようにという気遣いからくるもので、おいしいナスを嫁に食べさせるなんてもったいないという意味ではありません。
~薩摩芋(サツマイモ)~
ビタミンCと食物繊維が豊富です。芋類のビタミンCは、でんぷんに包まれているため、加熱しても壊れにくい性質を持っています。薩摩芋を食べるとオナラが出るのは、豊富に含まれる食物繊維が腸の動きを活発にするためです。
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聖隷佐倉市民病院 栄養科 管理栄養士 福島 亜弥子