夏本番。この時期に多いのが夏バテによる体調不良です。
そこで今回は聖隷佐倉市民病院顧問の磯野可一先生に夏バテについてお話を伺いました。
●夏バテの今昔
昔は炎天下で起きる「暑さ」による夏バテの症状が主でした。ところが、現代の夏バテや夏痩せは、気温と室温の温度差これに湿度が加わり生じる事が多いのです。人間の体は温度差が5、6度位違うと自律神経に影響を及ぼします。
また、体質によっても異なり、胃下垂気味の体質で痩せ型の人は、胃の機能が元々弱く夏バテや夏痩せを起こしやすい。汗をかいて冷たいものを多く摂ると、平素から弱い胃の機能が益々低下してしまいます。
そこで消化の良い、少量で栄養分の高いスタミナ食やビタミンCの多い野菜、果物類を十分摂る必要があります。食欲増進のための工夫も必要です。夏バテや夏痩せといった言葉は医学用語にはなく、医学的な言葉である高温障害といった病状の前段階にあたるもの。最近では温度差によって食欲が落ちたり、疲れやすくなったりといった症状が多く、同じ夏バテでも起こる原因が昔と現代では異なってきています。
●夏風邪・夏バテの対策について
夏風邪は夜寝ている時に汗をかき、明け方になると冷えて体温の差が生じて風邪をひいてしまいます。汗をかいてもいいが、処理の仕方が重要。布団や寝巻などは汗を吸い取りやすい生地にするといいです。冷房も直接、体に当たるのは良くありません。室内では一枚はおるものを用意する対策も必要です。
また、体力が消耗している時は寝汗をかきやすいので、日頃から体力をつける事が大事です。車内でも直接冷気にあたるようなことはせず、窓をあけて自然の風を入れるといいです。温度差の調節に人間の体が対応しきれず、自律神経が調節不能となり、体調不良に繋がってしまいます。日頃から温度差が生じないような環境を整える事が大切ですね。そして私の自論ですが、夏痩せ・夏バテをする人はどちらかというと内向的、内気な人に多いのではないかと思います。情熱を持って仕事に打ち込んで生き生きとしているような人は夏バテをしない。体力だけでなく精神力も必要。また、物事に対しても前向きな思考を持つ事も大事。体力と気力の充実ですね。
そして、体に一番悪いのはストレス。自律神経失調になり、夏バテになりやすい。現代人にストレスはつきもの。心地よいストレスはいいが、病的なストレスを感じる事のないように、ストレス解消の術を日頃から持っていなくてはいけません。ずっと気が張り詰めないよう、自分の趣味を見つけたり、好きなテレビ番組を見て笑ったり、気持ちを解放してあげる事も重要です。
●快適な過ごし方
夜、クーラーを使う時には、数時間前に布団に冷気をあてておくと、寝る時にはひんやりして熟睡できます。寝る時はクーラーを切る。扇風機を使う場合は、体が冷えきってしまわないように、足の方に置いて固定ではなく、首を回すようにしながら使って下さい。昔の人を考えてみるといいです。昔はクーラーもなく、扇風機もなく、うちわであおいで眠りについたもの。
現代は、人間が過ごしやすいように環境を作りあげた事で逆に体に良くない環境を生み出しています。何といっても自然が一番。後は避暑地に自分の別荘を持って過ごすのもおすすめです(笑)。
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