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すたっとコラボレーション「子どもの食生活」vol.1 2006年6月 

2008/09/10

ライフスタイルの変化や食の安心・安全が問われる中、現代人の食生活における悩みや不安は大きい。市民、企業、行政の皆さんが「子どもの食生活」をテーマに食育について話し合いました。

《徳永》お店では、どういう事を基準に商品開発をしているのですか?
《イルピーノ》基本的には無添加。ジャムは手作りなので、なるべく添加物を入れない商品作りを心がけています。シェフの考え方が「生産者の見える商品」なので、生産者がわかってどういう風に作っているのか畑にも見に行きます。100%とはいきませんが、そういうものを取り入れ体に優しい菓子を作っています。
《夢工場》うちも添加物をなるべく使わない様にしています。先日「卵の入っていないパンはありますか?」と、お客様から聞かれました。本音を言うと少数のお客様をターゲットに商品を作って、何回かチャレンジした事もあるが、結局売れ残ってしまい破棄するしかなく、赤字でやめてしまう。アレルギー問題にお応えしたいのですが、実現するにはどうしたらいいか悩んでしまう。今、アレルギー持ちの方が増える中で、どこまで企業側が対応できるのかがこれからの焦点で模索中です。


《田嶋》基本的に全て手作り。給食にパンが出れば、その一個の為にパンを作ります。うちは卵、乳製品、バナナ、トマト、ピーナッツ、ゴマ、よもぎなどのアレルギーを持っていますが、徐々に解除も増えきています。もし、アレルギーの子がパーティーをしたい時に、パンをお願いする事はできますか?
《夢工場》対応できますが、小麦アレルギーがからんでいると困ってしまう。お店の中には小麦が舞っており、無菌室で行っているわけでないので難しい。卵抜きのパンという事であれば大丈夫です。
《藤木》アレルギーというと、特別な味というイメージがあるので、子どもが毎日お弁当を持参している中、先生方に子どもが何を食べているのか関心を持って頂ける様、パンやゼリーなどは沢山持参し、先生方にも食べて貰う事があります。調理を工夫する事で、アレルギーの子もそうでない子もそんなに変わらず食べる事ができるという事を知って貰い理解して貰う様にしている。
《高田》佐倉市では、食物アレルギーの対応について、各学校の栄養職員が事前に新入生にアンケートを取っています。学校給食について対応して欲しいと相談のあった保護者と話をして、なるべく安全に美味しく食べられる様に、除去や代替えを行っています。昨年は、市内の小中学校で学校給食に対応して欲しいという保護者からの要望が171名ありました。そういった中、自主判断により、お弁当持参の形を取るところもあります。学校全体で共通理解をしていく事が必要で、校内がその子について理解するという事で、学校長、学級担任、栄養士と話をして貰う。給食室で一生懸命作っても、子どもの口に入るまで安全を確保できるかと考えた時に、学級担任が出張などでいない場合、代わりの先生が適切な対応ができる様、事前に校内で関係職員と保護者で話し合い、更に職員会議の中で共通理解をしています。お子さんにとって学校生活も食事も楽しいと思って貰いたいという気持ちは皆さんと同じですので、学校がやれる努力はしております。栄養士も食物アレルギーについて研修していますが、数百、数千食と給食がある中で、どう対応していくか各学校で取り組んでいます。お母さん達も今までご自分で一生懸命取り組んできた事を学校給食にも何とか繋げたいと考えていらっしゃると思いますが、話を栄養士だけでなく、学校単位で進めて頂きたい。先日、佐倉市教育センターで道徳に関する意識調査を小中学生を対象に行ったら、朝食を毎日食べる子と夕食を家族と食べる子については、道徳的な実践意欲が高いというデータが出ました。やはり毎日の食事を通して、子ども達が基本的な生活習慣を身に付けて、更に家族と一緒に食事をする事は大切です。今まで抽象的に食べなきゃダメと言われていたものが、学力や運動能力でも顕著に差が出てきているので、学校側から家庭にも通知していますが、そのデータをもとに今、何をすべきなのか、学校、家庭、地域の皆さんと一緒に取り組んでいきたいです。
《徳永》朝食が大事と言われる中、親が朝食をとらないから子どもに朝食をどう与えたらいいかわからないという親もいる様ですね。
《高田》自分もそう育ったから、朝食を食べなくてもいいという考えの人もいるので、まだお子さんの為に悩む親ならいいですよ。家庭環境の事情で朝食抜きの子がいて、給食だけが食事の場という子どももいる。肥満傾向にあるお子さんのお母さんと話をした時、うちの子はそんなに食べていないのになぜ?とおっしゃるが、朝から鳥のからあげを電子レンジで加熱したものや炭水化物系ばかりを食べている現状がある。お母さん達も比較するものがないと、他から見るとおかしな事が家庭の中では普通になってしまう。学校給食はバランスの取れた食事を提供しており、市では米飯給食を中心に日本型食生活の良さについて取り組んでいます。
《田嶋》うちは必ずご飯と味噌汁、おかずが普通ですが、子どもの友達に話を聞くと、味噌汁は出なくて牛乳かジュースとの事で、心配になりますね。
《高田》子は親の鏡という言葉がある様に、親がご飯と味噌汁という形で習慣を自然に身に付けさせ、楽しい食事を心がける事によって色々な食への興味関心も沸いてきます。


《桐谷》うちはおじいちゃん、おばあちゃんと同居なので一緒に食べています。中学生の長女は塾が忙しく、一人で食べる事もありますが、なるべく皆で食べる様にしています。
《田中》うちは主人が朝食を食べないので、私と子ども達だけで食べます。夕食も主人が遅いのでやはり私達だけ。主人と一緒に食べるのは休みの日の昼と夜ぐらいですね。子どもとは会話をしながら食べています。子どもよりパパが孤食ですね(笑)。
《高田》食事は家庭や学校生活の環境によって大きく左右されます。学校給食では地場産物を使った取り組みを行っており、夢工場さんにもご協力を頂き米粉パンを使用しました。米粉をクリームシチューやからあげ粉としても使っており、小麦アレルギーのお子さんにも喜ばれています。授業でも食を通して地域を知り、郷土に愛着を持てる様に、地元の生産者の方にも参加して頂いています。給食や授業を通して、子ども達が「誰々さんのメロンは美味しい」や「ここのお店に買いに行きたい」といった言葉が自然と出てくるので、家庭でも親がこだわりを持っている事は、子どもも見て身に付いていると思います。こういった地域連携がお店にもいい効果をもたらすといいですね。
《夢工場》お陰様で、米粉パンの認知度も上がってきましたし、農家の方が朝早く米粉パンを買いに来て下さいます。自分で作った米というイメージがあるのでしょうね。農家さんとも距離が縮まった感じがします。
《イルピーノ》うちも作ったものは必ず、生産者の方にさしあげてお見せしています。また、今日はアレルギーのお子さんをお持ちの方もいらっしゃるので、逆にいいアイデアを教えて頂きたいです。皆さんから教えて頂き出来る範囲で取り組み、お子さんの笑顔が見れる様に努力していきます。
子どもに「美味しく食べて貰いたい」と願う気持ちは皆同じ。体の資本である「食」についてそれぞれの立場から情報交換を行った事で、改めて「食」の大切さを実感、stadコラボレーションから新しいきっかけが生まれる事を期待しています。