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いきいきライフ

いきいきライフ「酒々井里山づくりフォーラム」vol.2 2007年9月

2008/09/23

昔から湧き水が豊富で、井戸が多かったと伝えられている酒々井町。本佐倉城址を臨む谷津には西井戸という地名があり、現在も湧き水が注いでいます。癒されながら、楽しみながら、汗を流す「酒々井里山づくりフォーラム」を取材しました。

会長の大野さんにインタビュー、皆さんの活動をご覧頂けます。

7月の土曜日、「西井戸ノ里」と名付けられた谷津田に「酒々井里山づくりフォーラム」の皆さんの姿がありました。毎週土曜日が定例会。現在、酒々井町を中心に4箇所で里山の環境保全に取り組んでいます。西井戸ノ里は、平成13年の会発足と同時に最初に手を入れた谷津田です。以前は休耕田が広がり、山は数メートルもの篠竹が生い茂る、人を寄せつけない荒れた山でした。町指定「緑の保全地域」にも関わらず、荒廃している里山を少しでも本来の姿に戻していこうと、当時区長を務めていた遠藤博之さんと地元の有志で会を設立。森林と田んぼの地主さんと協定を締結して、会が正式に管理を任され、安らぎの里づくりを本格的に始めました。西井戸ノ里には心地良い風が走りぬけ、青々とした田んぼの苗を揺らしていきます。田んぼの脇には会の女性が耕す畑、その畑を囲むように紫陽花が彩りを添え、森林からは鳥のさえずり、斜面にはヤブミョウガが夏の始まりを告げるように、白い小さな花を咲かせていました。ヤブミョウガは、自生していたものが、手入れで森林に陽が差し込むようになり、落ち葉掻きでこぼれた種の発芽率が良くなったことで増え続け、現在では杉林の林床一面に見ることができます。見頃となる8月には、この花を目的に里山を訪れる人も多いそうです。自然豊かな里山では多くのイベントも行われています。この日の作業は、一週間後に控えた自然観察会イベント「ナイトウォーク」に向けての環境整備。参加者が歩きやすいように草を刈り道を整備、また水源地である湧水の手入れなどを行いました。「子どもの頃は、湧水がもっと豊かだった」と、当時を振り返るのは、会長の大野廣さん。土がむき出しになった斜面に竹を組み合わせ、更に石を手積みし、ろ過のしくみを作って湧水の流れ道を皆で力を合わせて整備しています。会員それぞれが自分の得意分野を活かしながら、活動を行っているのも大きな特徴。大野会長は、伐採した竹を再利用、竹炭や竹酢液を作っています。女性も大活躍。アケビやフジのつるを利用して籠を編んだり、自然素材を使ったアクセサリーやお手玉などの小物も作り、しすいハーブガーデンで販売。会の収益に繋げています。首から下げる会員のネームフォルダもお手製。会の主旨にあったものをと、大野さんが榊を利用して木工を担当、名前を絵心ある女性が書くという共同作業で、木のぬくもり溢れる会のオリジナルネームフォルダが出来上がりました。
「大変というよりもここに来るのが楽しみ」「癒される」「気持ちいい」と話す会の皆さん。「あくまでもフィールド作りが役目」と語る事務局長の遠藤さんの言葉通り、皆さんが作った里山のフィールドには、多くの人が訪れるようになり、中学生の授業や地域のNPO団体、サークルともイベントを通じて様々な連携が生まれています。田植え体験や自然観察会で子ども達が見せるキラキラと輝く瞳は、会への何よりの励みになります。荒れた山を里山にする「里山づくり」から、現在では里山からメッセージを発信する会に成長したことで、今後は「酒々井里山づくりフォーラム」改め、「酒々井里山フォーラム」とし、更なる歩みに夢を膨らませています。

(問)酒々井里山づくりフォーラム
 事務局長 遠藤さん
 043(496)5444