11月はテラブレーション月間です。テラブレーションとは、Telling(語り)とCelebration(祝い)を合わせた造語で「語りの祝典」という意味。アメリカを中心に世界各地で一斉に語りの集いが開かれる11 月。語りの魅力を伝える活動を続けている佐倉おはなしの会を取材しました。
例会の様子をお伝えします。皆さんのインタビューとともにお楽しみ下さい。
電話をかけるとお話が流れるテレホンサービスを始めたのが、佐倉おはなしの会のルーツ。以来、メンバーが5名という少人数にも関わらず、毎月第1土曜日に開催している臼井公民館おはなし会を始め、幼稚園や小学校、児童センターなどでも精力的に活動を行っており、この秋からは千葉県の委託事業「佐倉民話の広場」もスタート。民話を通しての地域づくりを目的に、古くから地域に伝わる民話を題材とした語りの催しや子どもの語りべ育成などにも力を注いでいます。
第1・3水曜日、佐倉図書館の一室で佐倉おはなしの会の例会が開かれています。この日は、これから予定されている小学校や幼稚園でのおはなし会の題材について、打ち合わせが行われ、メンバーから色々なお話の題名が飛び交いました。自分が語りたい題材をあげては、その話の内容が対象年齢に合っているか、過去のおはなし会で披露した内容と重なっていないかなど確認。また、初めて語るお話については、まずメンバーの前で語りを披露。メンバーがじっと耳を傾けます。語りが披露された後は、季節感、語りの長さ、言葉の言い回し、表現など、メンバー同士で細部に渡る意見が交わされ、本番まで再度、練り直しとなりました。一つの語りに対して、気になる部分を指摘し、語り手は自分の考えを伝えるというやりとりは、語りに対して真摯に向き合っているメンバー達の姿勢が伝わってきます。語りの魅力についてメンバーは、「言葉だけでお話が語られていくからこそ、それぞれ聞いている人達が想像を広げて楽しむ事ができる」「昔から伝わる語りの中には、先人達の生活の知恵や心の教えが凝縮されている。親子関係が希薄な世の中だからこそ、お話を通して自然な形で家族の大切さなどを伝えていきたい」と語ります。
ゲームやテレビなど、日常生活の中で視覚から得る情報が先行しがちな現代、語りを聞く子ども達の反応からも、以前に比べると言葉を理解できず、物事を深く考える力が低下している印象を受けると、心配する声もあがりました。
来年発足20年。一年目から続けているおはなしテレホンサービスは、毎月お話の内容を変えてメンバーの語りでお届けしています。また、民話を通じて地域づくりを目指す「佐倉民話の広場」は、来年2月まで市内各地で活動が予定されています。
皆さんもぜひ一度、メンバーが語るお話の世界に耳を傾け、想像の翼を広げてみませんか。
(問)佐倉おはなしの会 代表 清宮さん
043(486)7939
おはなしテレホンサービス
043(485)0874
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