開国150周年の今年は、安政五ヵ国条約の一つ、日蘭修好通商条約締結から150周年でもあります。
佐倉とオランダの歴史を現代に伝えながら活動に励む「佐倉日蘭協会」の皆さんを取材しました。
佐倉日蘭協会主催の講演会の模様をお伝えします。
佐倉日蘭協会は昭和62年設立。「西の長崎・東の佐倉」と称される程、蘭学が盛んだった佐倉の歴史を今に伝えるとともに、市民レベルでの草の根的な国際交流をはかろうと活動しています。蘭学面では、講演会や「オランダゆかりの地巡り」と題した散策会、交流面では現在のオランダを知ることを目的に、オランダ語講座、食文化に触れる「オランダ料理講習会」、佐倉オランダ児童交流事業等を行っています。平成元年度から始まった佐倉オランダ児童交流では毎年、佐倉とオランダの子ども達が互いの地を行き来しており、約10日間の滞在期間中ホームステイをしながら、生活習慣や文化を体験しています。約20年に渡り交流を続けているオランダ・ブレイスヴェイクのアンネ・フランク小学校では、掃除や学級の目標掲示、日本の歌と遊びの学習導入等、佐倉で得た体験を積極的に取り入れています。佐倉を訪れたオランダの子ども達が再度、日本文化に触れたいと留学するケースや、オランダを訪問した佐倉の子ども達にとっても、成長過程において実り多き体験となっています。滞在中は英会話が大半ですが、互いの距離が近づく一番の源は、心のふれあい。日頃の心の持ち方が海外でも自然に発揮され、言葉の壁を越えた交流に繋ります。また、知識を与えることが先行しがちな日本の教育に対し、考える力を育てるオランダの教育方針には学ぶ点が多く、現代の日本の子ども達に必要と、会の皆さんは話します。
日蘭修好通商条約締結から150年。佐倉と蘭学との結びつきは幕末に遡り、佐倉藩主・堀田正睦公が積極的にオランダ学問を藩に取り入れ、学問向上の為、江戸で評判の蘭医・佐藤泰然を佐倉に招いたことから始まります。泰然が創設した蘭医塾「順天堂」からは、多くの優秀な人材が全国に輩出されました。1月に開催した講演会「佐倉の蘭学と堀田正敦」には、約100名が聴講に訪れ市民の関心の高さも伺えます。
より多くの市民に「蘭学のまち佐倉」のルーツを伝え、オランダとの交流を通して、文化・芸術・習慣等を現代に生かしていこうと、会員一同様々な企画を考案しています。
「佐倉チューリップまつり」が開催される春。花を見守るオランダ風車「リーフデ」の名の如く、佐倉日蘭協会が積み重ねてきた地に根ざした市民交流は「友愛」の輪を広げています。
問)佐倉日蘭協会(佐倉市教育委員会文化課内)
043(484)6191
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