メダカが絶滅危惧種に指定されたのが1999年。四街道市においても例外でなく、メダカも棲める水辺の再生を願って発足したのが、NPO法人四街道メダカの会です。会の活動の一端を取材しました。
「四街道メダカの会」の任海会長にインタビューしました。
四街道市栗山の谷津に高々とそびえるムクロジの樹。この樹にちなんで命名された「ムクロジの里」を維持管理している母体が四街道メダカの会であり、毎週木曜日に里山の手入れをボランティアで行っているのが「ムクロジ会」です。4月の木曜日、ムクロジの里には約20名が作業に参加。各々の判断で、草刈や水路の補修など、黙々と汗を流します。
ムクロジの里は、数十年間、休耕田となっていた地を四街道メダカの会が地権者から借り受けました。以前、四街道ライオンズクラブが自然の再生を願いトンボ池を作りましたが、維持管理が困難になった為、メダカの会が引き継ぎ、6年前から再生に乗り出したものです。
ムクロジの里には、8つのメダカ池があります。数年前に市内に生息していたメダカを数回に分けて放流して繁殖。日当たりの良い水温の高い池では、元気に泳ぐメダカの群れを確認できるようになりました。乾田化した田んぼの草取りや森からしみ出る水がきちんと流れるように整備はかかせません。保全されている湿地には、多様性の動植物が息づき、メダカを始め、オタマジャクシ、タニシ、アメリカザリガニの他、ニホンアカガエルやシュレーゲルといった貴重種のカエルや、ニョイスミレなどの野花を見ることができました。様々な生き物を観察することができるムクロジの里には、土日ともなると親子連れが多く訪れ、大人も童心に返って過ごしていきます。家族で楽しむ姿を見るのが、皆さんにとっては何よりの喜びであり、故郷・四街道の自然環境に目を向けるきっかけになればと語ります。しかし一方で、周囲からの自然への認識不足で、沢山の昆虫の棲みかである木材を、見た目の印象から撤去して欲しいとの苦情が寄せられたり、心ない人達が貴重な動植物を乱獲していく現状もあります。
四街道の自然保護活動に尽力するメダカの会では、この他にも市内を流れる河川の環境調査や「水辺の探検隊」と題したイベント等を通して、環境への啓蒙活動を行っています。その一環としてムクロジの里以外にも、米作りを目的とした休耕田の再生やメダカの保全を市内数箇所で行っています。
「身近にごく普通の自然が広がり、日常的に触れることができる四街道。この環境を守っていく為にも、自然と共生しながら生きることの素晴らしさを伝えていきたい」と語るのは、代表の任海さん。
鳥のさえずりや水のせせらぎ、ムクロジの里での様々な生き物との出会いは、訪れた者に自然からのメッセージを運んでくれます。
(問)NPO法人四街道メダカの会
会長 任海(とうみ)さん
043(432)8701
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