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市民公益活動団体紹介

市民公益活動団体紹介「四街道自然同好会」vol.2 2006年7月

2008/08/25

6月は環境月間。今では貴重な風景となった夏の風物詩であるホタルの生態調査を長年続けるとともに、自然の素晴らしさを多くの人に伝えようと、精力的に活動を行っている四街道自然同好会。春の自然観察会を取材しました。

代表の市川清忠さんにインタビュー。

「自然界にムダなものは無い」と話すのは、四街道自然同好会の代表である市川清忠さん。自然の大切さを伝えようと、約20年前に数名で立ち上げた会は、毎週の様に行っている自然観察会や毎月発行している会報などの活動が実を結び、今では約500名の会員数を誇るまでに成長しました。
春の陽射しが降り注ぐ中行われた自然観察会には、会員と一般、合わせて約40名が参加。出発地点である旭ヶ丘中央公園には帽子やリュック、スニーカー姿の参加者が次々と集まってきます。観察会は、専門・一般・入門・フリーコースの4班に分かれてスタート。会の自然観察指導員がリーダーとなり、観察会を進めていきます。市川さんがリーダーを務めたのは、初心者向けの入門コース。まずは、公園にある桜の枝を揺らし、落ちてくる虫を観察する事から始まりました。桜の葉では「蜜腺」と呼ばれる部分から出る蜜を蟻になめさせて、葉に来る様々な虫を追い払う役目をさせる巧みな知恵がある事、ペンペン草の愛称で知られるナズナは、ルーペを覗いて種の内部を確認、名前の由来も紹介されました。また、公園で沢山見られたタンポポにも注目。葉の形がライオンの歯に似ている事から、外国ではダンデライオンと呼ばている事や、タンポポの花が幾つの小さな花で出来ているのかを皆で調べる課題も出されました。
旭ヶ丘団地の眼下には、水田が広がっており、北総台地特有の谷津田の地形が見られます。この日は、水田地帯から鹿渡の郷土の森を抜け、栗山で休憩、食事後、再び出発地点である旭ヶ丘を目指す約6�の距離を歩きました。春の空気、カエル、野鳥達の声に包まれながら、ゆったりとしたペースで観察会は進みます。生き物や花の説明だけでなく、時には森林の中に祀られた祠にかかるしめ縄の解説もあり、昔からの慣わしや歴史に触れる事のできる散策でもありました。自分の手で双眼鏡を作って遠くを覗いたり、野に座って会員お手製の紙芝居でタンポポにまつわる話を披露、畑に残る野ウサギの足跡を見つけて、ウサギの跳ね方を音で表現するなど、市川さんの楽しい案内に、参加者の皆さんは真剣にメモを取ったり、笑い声をあげたりと終始、和やかな雰囲気に包まれていました。
「自然の豊かさに感動した」と参加者から多くの声が聞かれる一方、会が毎年行っている市内におけるホタルの生態調査では、ホタルの減少が伝えられています。水田環境の変化や除草剤の使用、休耕田による乾田化の影響で、昨年までは群生で見られた生息地が一年後には数匹しか見られなくなった場所もあるそうです。農業の高齢化に伴う水田環境の変化は、生き物たちの生態系と密接な関わりを持ち、ホタルを取り巻く厳しい現状から、少しでもホタルを守ろうと、会では休耕田を借りて草刈の活動も継続して行っています。
四街道自然同好会の願いは一つ。「この素晴らしい四街道の自然を未来の子ども達に残したい」その為にも、会員と一緒に野を歩き、自然の息吹きを共に感動する仲間を増やしたい。感動は、自然を大切にする心を生む一番の種となるのかもしれません。

問)四街道自然同好会
  事務局長 小沢さん
  090(9836)8902