閑静な住宅街を少し入ると、犬をかたどったブルーグリーンの看板「ハニービー」が、パッチワークキルト教室の生徒さんを迎えます。
今から十数年前、子供中心の生活で専業主婦だった山本さんは、ふとした時「わたし」の時間がないことに気付きます。「わたし」の時間に何をしたいのかを模索している最中、県内の百貨店で行われていたキルト作家斉藤謠子さんのパッチワークキルト作品に出会い、一目見た瞬間、自分の求めていたものはこれだと確信します。斉藤さん独自のシックな色合い、そしてデザインなどの芸術性に感銘を受けました。
作品に出会ってからは、斉藤さん主宰の教室へまっしぐら。入会から五年後に講師の資格を取得。その後、宮ノ台の自宅で教室を始めます。生徒さんは子育てが一段落した40代〜60代の方が中心。斉藤先生のカリキュラムを軸に、生活小物やタペストリーと、様々な物に取り組みます。作品は穏やかな山本さんとのおしゃべりを楽しみながら進めていけば、時が経つのも忘れて完成します。一針一針が愛おしい時間です。
パッチワークキルトを始めてから、家族も協力的に。息子さんは「ハニービー」のホームページを立ち上げてくれました。作品は飾るだけでなく、自分で使ったりプレゼントにしたり「実際の生活に使える作品であることもパッチワークキルトの魅力」とお子さん達からも好評です。
これまでには海外のキルトを知るために旅をしたこともありました。キルトの仲間は全国に広がり、ネットワークができました。その中には今回の震災で被災した方もいて、支援も広がりました。「一日でも早く針を持つ生活がしたい」という強い気持ちは、生活を立て直す原動力になっています。パッチワークキルトでつながった絆は前を向いて生きるための力を与えてくれました。
「針を持つとゆったりとした気持ちになります。自然と生活が心豊かになり暮らしが楽しくなりました。パッチワークキルトは生活を彩りますよ」。
(ライター/STaDサポーター・YUMI)
パッチワークキルト「ハニービー」
初心者クラス募集
http://milky.geocities.jp/honey_bee_0406
TEL:043-489-1462
第2回 作品展 2012年3月7日〜11日
西志津ふれあいセンター
STaD TV webは「まちづくりメディアSTaD」誌面との融合型映像配信サイト!北総エリアのまちづくり情報をお届けします。