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すてきなユーカリ人vol.42「太陽の下で野菜と向き合って暮らす」 宮ノ台在住 井上 義隆さん

2012/03/30

「太陽の下で野菜と向き合って暮らす」
宮ノ台在住 井上 義隆さん

 住宅地の中に大きく空が広がる「クラインガルテン」(市民農園の意)。
井上義隆さんの野菜作りは、7年前に1区画から始まり、現在では青菅の8区画を所有するまでになりました。野菜が水を欲しがっている様子にも気付くことができるような、自宅すぐの区画で栽培しています。
 「戦後、食料のない時代に生まれたからね」と、食に対する思いは幼い頃からのもの。食料品関係の仕事にも就き、定年まで全うしました。サラリーマン時代にはなかった時間に余裕のある暮らし。「楽しくやるのが、これからの人生」と、今は朝の連続ドラマを観てから、地元の人しか知らない宮ノ台から印旛沼まで抜ける森の中の道を散歩。その後、スコップ片手にコツコツと毎日1時間と決めて、畑に精を出します。
 野菜作りの中でこだわっているのは、スコップ1本で畑を仕上げていくこと。耕耘機は使わず、ゴボウを作っても一人で深く掘り下げて収穫するのが井上流、太陽の下で体力作りも兼ねています。ここは野生のウサギやネズミが頻繁に顔を出すので、油断は出来ません。現在、畑にある野菜の種類は約30種。芽出ししたじゃがいもが土の中で出番を待ち、鮮やかな緑色のスナップえんどうの葉が上へ上へと生長しています。隣の畑にはふきのとうも芽吹いていて、春の訪れを感じさせます。年間では約70種もの野菜を栽培していることになり、それらの生長は歴史を感じさせる大学ノートに綴られ、大切に記録されています。
 畑に毎日通うことで多くの仲間も出来ました。仲間とはおいしい野菜を作るために情報交換したり、週3回は詩吟の会に参加して交流を深めています。愛情込めて育てた野菜は収穫する度に、親しい友人のもとへと旅立っていき、大事な人とのつながりを深めてくれます。
 これから、春野菜の時季を迎え、畑仲間との交流も益々さかんになります。太陽の下、野菜と対話しながら汗を流す日々、井上さんにとって「クラインガルテン」は、生きる喜びを実感する特別な場所です。
(ライター/STaDサポーター・YUMI)